棄てたい得意芸
また思い出して反復しようとしている。
忘れないように手繰ったところで
何も生まないことはわかっている
だけどどうしても
優しすぎる自分になりたくない
嗤い話みたいにしてること
本意でないことはわかってる
それをわかる自分が嫌で
赦す自分が悔しくて
いつまでもそうして甘えられる隙が
自分の持つ優しさなら要らない
いつまで翻弄されるのだろう。
いい加減にしないと
無駄に街中を歩いたのは
置き場がなかったからだと
後でそんな自分に気づく
尖った気持ちを
両手で包み込んで溶かす
痛みをともないながら
そして簡単に忘れていくことも得意だ。
だけど、
この憤りだけは
影すらもいとおしい。