あめ
行き違う人の多くが
傘をさしている。
車のライトに透かして
雨が降りだしたことに気づく
なにも感じなくて
不自由もない
両耳を塞ぐと
他の感覚が鈍るのか、
気付かないでいた
寒くもないし。
時間の積み重ねによる五感の衰えは
欠損を他が補うほどに能力をあげる
今朝の予報を見て
もってきたはずの
折り畳み傘
探しても無くて
そうなると逆に
今まで気にならなかった
雨を意識する。
人間はそんなもの
ないものをずっと羨ましがって
探し続けるのかな
手の中にあるものに気付かずに
探そうとするなら
ましかもね。
その事態の前に
私は
立ち尽くすだけだから。
それでもいいと思えるようになったのは
少しは大人になれてるかと
勝手に自己満足。
だから、
今日は傘がなくても
悲観しない。