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秋月春風  ブログ版

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2006年03月21日
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 弟が一週間の海外出張中で、実家に義妹と姪が遊びに来るというので、我が家も昼食にお呼ばれして出向いた。
 長男の体操教室が終わる時刻を見計らって、私と次男も家を出て、実家で合流。3玉入りのセットを3つも使って作られた焼きそばは、大勢で食べる楽しさからかあっという間に消えて無くなった。
 その後、子供達がブロック遊びを始める。いつもは取り合いになって凄い騒ぎになったりするのだが、今日はうまく分け合えたようで、三者三様様々な作品が出来上がった。カメラに半端にフィルムが残っていたので、それぞれの作品を前に写真を撮ってやる。長男は竜を実にそれらしく作り、次男は・・・良く分からないが、構えて「ばんばんっ!」と言っていたので、何やら銃系の武器を作ったつもりらしかった。
 ブロック製作が一区切りついたところで、近くにある広い芝生の広がる公園に行こうと母が言い出した。
 私は自宅に布団等を取り込みに帰り、ついでに所用を済ませてから公園に向かったので、母達よりも20~30分遅れで到着したのだが、その時既に子供達3人は頭から足先まで土埃で白っぽくなっており、身体のあちらこちらに芝の枯れ葉をくっつけた状態で、桜の木によじ登ろうとしているところだった。6歳の長男はともかく、3歳半の姪と2歳半の次男までが、低めの樹の枝に跨って得意気に手を振っている。なんとも逞しいことである。
 それからも3人は、広い公園内を隅々に渡って走り回り、ブランコに乗ったり、すべり台を登り降りしたりと大騒ぎ。夫は小さい子の相手が得意なので、次男の持ってきた小さめのサッカーボールを上手くつかって、更に子供達を走らせる。歓声を上げてボールを追うその姿は、まるで子犬がじゃれあっているようで見ていて実に面白い。このときはカメラを持ってきておらず、そのことを私はとても後悔した。
 案外目立ちたがり屋の長男は、走り回りながら時折、体操教室で習った側転やハンドスプリングという技を披露。私は頭を打たないかと、少しハラハラ。その隣では、兄を真似ているつもりなのだろう、次男が地面に横になり、ごろんごろんと丸太のようにどこまでもどこまでも転がって行く。枯れ芝まみれになってけらけらと笑う次男を眺めながら、今日の洗濯と入浴に思いを馳せて、ちょっと哀しくなる私だった。
 そんなところへ、しばらく姿の見えなかった母が土筆を手に戻ってきた。とたんに「僕も」「私も」と母にくっついて土筆採りへと向かう。
 土筆は公園と園外の畑との境目にびっしりと生えていて、母や子供達を手伝うつもりで付いていった私だが、思わず夢中になって摘んでしまった。次男は天辺筆先のような部分ばかりをむしってしまうが、本人はとにかくご機嫌。長男と姪は争うように摘んであるいているのだが、長男は自分では上手く見つけられず、私や母がかがみ込むとすかさずやってきて「どこ?」「どこ?」と大騒ぎの末、私が摘もうと手を伸ばした先をみて、さっと脇から手を出して横取りしていく。我ながら大人げないとは思うが、得意気な顔をして摘んだ土筆を見せびらかされたりすると、どうにもむかっ腹が立つ。
 全員で小さなコンビニ袋いっぱいにつみ取ったところで、時間も夕方となったので実家へと戻った。
 おやつをもらった子供達は口々に眠いと言いだし、敷いてもらった布団に横になってあっという間に夢の国へ。その間に、大人達はせっせと土筆の袴取り。その袴を取った土筆は、母があく抜きをした後で醤油味の油炒めに仕上げた。野草独特の苦みはアク抜きのせいか殆ど感じられず、しゃきしゃきとした茎の部分の歯ごたえも良く、とても美味しい。丁度起きてきた子供達も、長男を除いて土筆を試食。次男はやはり苦みが気になったのか少し食べたきり口を開かなかったが、姪っ子は「美味しい」と沢山食べていた。そう言えば弟が、姪の好みは結構渋いというようなこと事を言っていたような気がする。
 夕食は近所の中華料理店から出前。久し振りに食べた好物の「チャンポン麺」がとても美味しく、幸せな気分。
 食器を片付けて一息吐いたところで、今日はお開き。まず姪と義妹が帰宅し、その後私たちも実家を後にした。
 今頃実家では、先刻までとはうってかわった静かさのなかで、父母が寂しさを感じているだろうか。或いは、孫達の相手から解放されて、安堵のため息をついているだろうか。
 
 
 
 





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最終更新日  2006年03月21日 21時14分40秒
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