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カテゴリ:読書(含:漫画)
30歳代も大分40寄りに近付いた今日この頃。この年齢でコバルト文庫を買う自分というものに「いいのかそれで?」と突っ込み入れつつ、購入することを止められないシリーズ。
マリア様がみてる(卒業前小景) 幼稚園から大学までエスカレーター式のカトリック系お嬢様学校の、高等部で繰り広げられる物語で、「健全な百合もの」(笑)なんて紹介をされる事もあるのだが…基本的には学園コメディであり、主人公の少女の成長物語……だと思う。 結構ストーリーの進み方がゆっくりで、時々どうにも中だるみ的な巻もあったりもする。それでもついつい新刊が出るたび手に取ってしまうのは、楽しかった高校時代に束の間でも戻れたような気持ちになるからだろう。 私が通っていたのは、当時開校10年目の公立共学校で、主人公達の通う伝統ある女子校とは何の共通点も無い。当然、先輩と後輩が姉妹の契りを結ぶ「スール」なんて伝統も、無い。 それでも……部活に明け暮れた毎日の、優しく頼もしかった憧れの先輩達とのやりとりや、同級生や後輩としでかした数々の馬鹿騒ぎ……そういう、あの年代特有の空気が、とても懐かしく想い出され、セピア色のアルバムでも眺めるような、暖かくてどこか物寂しい気持ちになる。 家が居心地の良い場所ではなかった私にとって、部室で過ごす時間は本当に貴重なものだった。用も無いのにいつまでも残って、無駄話をしたり、借りた小説や漫画本を読んだり、トランプで遊んだり。 夏に駐輪場で花火をやって部室に戻ったら、開けたままだった窓から大量の蚊やら何やら小さな羽虫が大量に入り込んでいて、びっくり仰天。暑いのに窓締め切って殺虫剤をまき散らし、その薬剤にむせながら、ぎゃーぎゃー大騒ぎして退治して掃除して…なんてこともあったなぁ……。 コンクール前、40度を超える部室での真剣な練習。冬は冬で、氷点下にまで下がる部室で、演奏会の練習をして。その演奏会や文化祭での寸劇の稽古に励んだことや、家庭科室からミシンを運び込んでの衣装作り……どれもこれも、きらきらと輝く大切な思い出。それらが、生徒会役員として走り回る主人公達の活躍を読むにつけ、脳裏に鮮やかに蘇ってくるのだ。 そう…言うなればこのシリーズは、私にとっての小さなタイムマシンのようなものなのかもしれない。 おそらく次の巻は、主人公の大切なお姉様(先輩)の卒業式。そしていよいよ、最上級生としての生活が始まる。 この後何冊続巻が出るのか解らないが、今までの発刊ペースを考えると、多分完結する頃には40歳を超えちゃってるんだろうと思う。それでも、躊躇いつつも、新刊を手にとってレジに並ぶ自分が居るんだろうな~…と、苦笑と共に未来を予想する私なのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月14日 09時19分10秒
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