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カテゴリ:ダメママの遠吠え
ひょんな事からご縁が繋がり、普段は専らネット上でお付き合いさせて頂いている日本画家「及川聡子」さんの個展初日にお邪魔してきました。
彼女は近年薄氷というテーマに取り組んでいらっしゃるのですが、今回はそのテーマを和紙ではなく、絵絹という織物に表現することに挑戦されています。 私は絵画の知識は皆無ですので難しいことはわかりませんが、この絵絹と「薄氷」というテーマは、とても相性が良いように感じました。 元々透明感溢れる彼女の作品が一層透明度を増し、奥行きも深くなったように思います。 たまたま、数日前に仕上がったばかりで未だ額装される前の状態にある作品を拝見できたのですが、絵絹ってシフォンとかオーガンジーをもっと薄くしたような、ほぼ透明に近い布だということがわかり、何となく納得しました。 透明だから、暗色は沈み込むように深く、淡い色は浮き過ぎず、沈み過ぎずに柔らかくそこにある事が出来るのでは……そんな事を考えました。 春と冬の境目頃、彼女が愛娘犬ちゃんと散歩をしながら見つめ続ける小さな世界。 しん…としたその世界を覗きこんでいると、自分がちいさな名残雪のひとひら、春雨のひと雫になって、吸い込まれていくような感覚に襲われます。 そして幼少期にリュウノヒゲや枯れ葉を縁取って降りた霜を飽かずに眺めたことや、雪の結晶に目を凝らしたこと、わざと霜柱をふみながら登校したこと等を思い出します。 西荻窪での展示は、3月7日まで。www.sukiwa.net その後、滋賀県大津に会場を移して、3月13日から22日まで行われます。www.sukiwa.net/otsu お近くにお住まいの方、お出かけの予定がある方は、是非足を運んでみてくださいね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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