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カテゴリ:ダメママの遠吠え
昨日、演劇集団キャラメルボックスの【ケンジ先生】を観てきました。
かなり無理矢理強行したのですが、行って良かったです! とても素晴らしい舞台で、ラストシーンでは会場のあちらこちらからすすり泣きが聞こえました。 以下、幾分ネタバレを含みますのでご注意を。 まず最初に、簡単に物語冒頭のストーリーをご紹介します。 舞台は、2098年の日本。 この時代、学校は地球上に存在しません。 子供たちは5歳になるとパソコンを与えられ、スクールネットにアクセスして勉強をする…というシステムになっているのです。 そんな世界に生きる主人公、レミ。 彼女の14歳の誕生日に、彼女の祖母がプレゼントしたのは1998年製の教師アンドロイド“ケンジ先生”でした。 何故この時代に今更、先生を?というレミや他の家族の質問に対し、祖母は言うのです。 「レミに、本当の勉強をして欲しいんだ」 祖母の言うことを理解できぬまま、とりあえずケンジ先生と挨拶を交わすレミでした。 その翌日、レミはケンジ先生に「夏休みの宿題でわからないところを、私の代わりにやって欲しい」と頼みます。 それを「自分のことは自分でやるものだ」と、断るケンジ先生。 レミは「機械のくせに生意気よ!」と、ケンジ先生を突き飛ばして家を出て、親友ソラコの家へと遊びに行ってしまいます。 そのソラコの家には、ソラコの姉であり世界的に有名な歌手である「トシコ」が里帰りしていました。 トシコはとある事情から歌う気力をすっかり無くして居り、事務所の社長に宣言するのです。 「私は今日で、歌手を辞めます!」 *********************************************************************************************************************************************************** 初演・再演では、子供向けミュージカルとして上演されたこの舞台。 当然、踊りも歌もふんだんに盛り込まれていました。 それらを極力廃し、ストリートプレイとして再構築したのが今回の【ケンジ先生】。 正直、観る前は少し不安でした。 廃された歌は、どれもこれも素敵なものばかりだったので。 ですが……結論としては、この「引き算」は「大成功」だったと思います。 無理なく、すっ……と舞台に引き込まれ、感情移入していけるのです。 トシコが歌手を辞めたくなった理由が、ただ単に「忙しすぎて疲れてしまった」から「親友の死、その葬儀にさえ多忙で立ち会えなかった自責の念」に変更されていたのも、良かったと思います。 この事により、歌を歌えなくなってしまった理由にも、最終的には歌手を続けるという決断をしたことにも、誰もが無条件に頷ける説得力がでたように感じるのです。 今になって思うのですが、初演・再演時には、「好きで歌手になったんじゃん」という気持ちも、私の中には確かに在ったので。 本当に、針の先ほどの小さなものではありましたが……ね。 役者さんたちの演技も、素晴らしかった。 たしか練習期間は二週間足らずくらいではなかったか……と。 とてもそうとは思えない、完成度の高い舞台でした。 アンドロイドであるが故に、「教える」事に対する純粋な熱意とひたむきさを持ち、生徒の気持ちを理解し、寄り添いたいと願い、真っ向からぶつかっていく真摯な姿勢……そんな素敵な“ケンジ先生”に16年ぶりに出会えて、本当に嬉しかった。 私も登場人物達同様、たくさんの夢や希望、元気をいただいて帰ってきましたし、再演から今日までの間に私自身も親となった事で、今後の子供達との関わり方等についても考えさせられました。 本当に、収穫の多い観劇だったと思います。 今回の改訂により、初演・再演時は幼児でも観劇可だったものが、未就学児不可だったことが、個人的には残念でした。 娘に、観せたかったので。 彼女が小学生になって……できれば今の次男以上長男未満くらいの年齢になった時に、再度上演されると良いな……と願っています。 公演は、25日の昼まで。 都心にお住まいで、お時間のある方は、是非劇場に足を運んでみてください。 素敵な出会いが、きっときっと待っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月23日 10時53分56秒
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