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テーマ:心の病(7246)
カテゴリ:病気について。
私は5月20日にこの本を読みました。
今テーマで話題になっているようなので、私の感想と本の内容を書かせていただきます。 ハッキリ言うと今ひどい鬱で治療中の方にはオススメしません。 この本は病気になった人間ではなく、病気の人間を傍から見つめた側の視点で描かれるからです。 この本で描かれる妻は専業主婦でずっと夫の言う事を聞いて夫婦生活を続けてきました。二人の子供にも恵まれ読み出しは本当に普通の家族です。 でも夫が東京本社に転勤になってから様子は変わってきます。 夫の異変に気がついた妻は病院への受診を進めますが夫はそれを拒否します。 (夫の姉は鬱病、弟は完治しましたが鬱病でした) 夫が鬱病だとはっきりわかってから妻は腰痛が出てきました。 (この腰痛は段々と酷くなって最後には杖が無いと歩けない程になっていきます) 腰痛を抱えながら夫の病院に付き合う日々が続きますが、家族はだんだんと壊れて行きます。 夫は入院しますが病院から追い出されるように退院し自宅療養になります。 自宅療養を続けても良くならない夫に妻は不安を感じ、妻は違う病院に問い合わせますが拒否されます。 長男は高校受験をむかえていましたが志望校に不合格になります。 その長男に夫は「勉強していないからだ」と言います。 この事で長男は父親から離れて行きます。 段々と悪くなる夫に妻は不安と苛立をつのらせます。 でも状況は悪くなるばかり。 そして夫は「死にたい」と言います。その言葉に妻は「死にたいなら死んでよ!」といってしまいます。 これは私にも経験があります。 私は患者であり患者を傍で見ている人間ですが(私も一緒に住んでいる彼も鬱です)一度彼が死にたいと言った時に同じ事を言ってしまいました。 でも彼が死のうとしたとき私は必至で止めて今は一緒に暮らしています。 彼も私に対して色々な言葉を吐きました。 それは過去の日記を見ていただければわかります。 本の中の夫は「死にたい」と言ったあとベランダから外を見つめますが、これが自殺未遂だったようです。 夫はその後再入院しますがしばらくすると妻は病院から呼び出されます。 「治る見込みがないから退院してくれ」と言われます。 今までは「辛抱強く治療しましょう」と言われてきたのに、この言葉は妻にとってショックだったと思います。 そして別の病院に診察を入れあと数日で診察という日に事件は起きます。 妻が腰痛のため病院に行く時に夫が妻に言います。 「朝食、あんなんじゃ足りない」 その時妻は言ってしまうのです。 「あんたになんかこれで十分」 カップラーメンをつきつけられた夫は妻が出かけたあとカップラーメンを食べてから飛び降り自殺をします。 ここまで読んで私は自分の言動はどうだっただろうかと考えました。 彼に対してこの妻と同じような事をしていないだろうかと。 私も鬱が酷くODを何回も繰り返しました。 彼は私の事をこう見ていたのかもしれない。そう思いました。 それは私が患者であり患者を傍で見ている人間だから思えたのかもしれません。 そして妻は死んだ夫の顔を見て現実を思い知らされます。 自分が言った言葉。それが夫を死に追いやったのだと。 後悔と悲しみが溢れそうになりながら妻は葬儀の準備などをします。 そして残された自分と子供はこれからどうやって生活して行けばいいのかと言う現実にも向き合わなければならなくなります。 結果、妻は夫の保険金と遺族年金でなんとか子供と生活できる事になります。 それは夫が鬱病になる前にきちんと働いてくれたおかげだと妻は書いています。 私は妻は自分が夫を死に追いやった事を背負いながら生きて行く事が、死んでしまった夫に出来る事だと思い生きているのかな?と思いました。 自殺って最近よくニュースで見ます。 もしそれが鬱病のせいだったら残された家族はこんな思いをするのかな?と思いました。 妻にも悪い所はあります。感情にまかせて夫を罵ったり、最後などは最悪です。 苛立を夫にぶつけて結果夫が死ぬ事になるのですから。 でも自分がもし彼が働けなくなる程酷くなって私が全てを背負う時それが出来るのかな?と思いました。 女一人で稼げる額なんてたかがしれています。二人で暮らしていくのに十分なお金が稼げるはずありません。 ましてや私も病気です。フルで働けるはずはないです。 そんな事を考えながら読んだとき私は読んでよかったと思えました。 今までそんな事を考える事など無かったので、この本を読まなかったらもしかしたら私も彼を死に追いやるような事をしていたかもしれない。 そんな事を考えました。 本当に本音で語られていてキツい部分もあります。 だから買う事はオススメしません。 ただ私は読んでよかったと思えました。 もし「ダンナがうつで死んじゃった」がどんな本だろうと思われている方の参考になれば幸いです。 追記 これはあくまでも私が本を読んで思った感想です。 他の方がどう思われるかはわかりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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