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The locus of the moon

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月宮 蒼

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詩 「強さ」


詩 「叶えたまえ」


詩 「傷跡」


詩 「キエテシマエ」


詩 「醜さ」


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詩 「流れる涙」


詩 「愛しさ」


詩 「何故?」


オリジナル小説2


神を狩るもの-序章-


漢字一文字50のお題(詩)


2005/07/15
XML
カテゴリ:小説
応募先にメールをしたら営利目的ではないサイトであればWEB上で発表OKとの事だったので「僕とセカイ」修正版を載せますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕とセカイ


 第一世界 ― 僕の疑問 ―

 僕は目の前にある今日処方された薬を見つめた。
 そこにあるのは1週間分の精神安定剤。

 そう、僕の心は病んでいるのだ。

「毎食ごとに決まった数だけ飲むんだよ」
 僕の担当の先生は優しくそう言った。
 毎週医者に行く度、しつこいくらい先生に言われる。
 僕は病んだ心で人と付き合う事も出来ず、学校にも行けない。
 そんな自分に絶望して何度も自殺未遂を繰り返している。
 母はその度に悲し気な瞳で僕を何度も抱きしめる。
 でも、そんな母の愛も病んだ僕の心には届かない。
 あるのは言葉と抱きしめると言う行為だけ。
 ただそれだけだ。

 しかし僕には疑問がある。

「……何で生きてるんだよ」
 そう言うと僕は見つめたいた薬を全て飲み込んだ。
 五十錠程あっただろうか。少なくとも死ねるくらいの量はあったはず。
 いつもと同じふわりとした感覚が体を包んだ。頭がくらくらする。きっと薬が効いてきたのだろう。
「このまま死ねると最高なんだけどね」
 僕はぽつりと呟いた。
 自殺未遂を繰り返しているのは事実だ。
 でも僕はいつも死なない。
 理由はわからない。
 でもいつも僕は薬を飲んだ後、気を失い数日すると自分のベッドの上で目が覚める。

 何故?

 僕はそれを確かめるため薬を飲んだ。
 意識を保つためぼんやりとする意識の中自分の頬を叩いた。
「寝るな、寝たらわからないんだぞ」
 死のうとしている人間の言葉じゃないのはわかっている。でも今僕が欲しいのは「何故死なないのか?」その答えだ。

 ぼんやりとした意識で壁にかけてある時計を見ると薬を飲んでから三十分ほど経過している。
 足下がふらつき言葉もろれつが回らなくなってきた。
(ヤバイかも)
 僕はぐるぐる回る世界の中で必死に自分を保とうとした。
 しかしそれは叶わず、僕は窓際にあるベッドへと倒れ込んだ。
 倒れ込む時に大きな音がしたが、今日は家に誰もいない。
 僕の邪魔をする人間は入らないはずだ。

 そう思ったときだった。
 思わぬ所から邪魔が入った。

「ああ、またやっちまったのかよ。全く、こっちの身になれってんだ」
 そんな悪態をついた男の声が聞こえてきた。
 僕はろれつの回らない口でその男に呼びかけた。
「られ?られなんら?」
 男は僕の声を聞くと小さく舌打ちした。
「何だ、今日は意識があるのかよ。まずいな」
 男はそういうとベッドに倒れ込んで手足の自由が利かない僕に近づいた。
 そして僕の顔を見つめると手をかざしその手から光を発した。

 刹那。

「あれ?」
 僕は驚きの声を上げた。男が光を放つと僕の体は自由になった。
 薬が多少残っているのか頭は少しふらついている。
 しかし歩くのには差し障りが無い。
「お前、これで何度目だよ。助けるこっちの身にもなれっていうんだよ」
 男は頭を掻くと僕に吐き捨てるように言った。
「誰も助けてくれなんて言ってない」
 僕は男を見つめそう呟いた。
 男の格好は黒のタキシードにマント。身長は百八十程度で僕よりも五センチ程高い。つり上がった黒い瞳は僕をじっと見つめている。
 見知らぬ男なのに不思議と危険な感じはしなかった。
 助けられたからなのか?
 それとも薬で頭がどうかしているのか?
 僕は頭の中でぐるぐると考えながら男を見つめた。
 そして僕はベッドに腰掛けるとずっと抱いていた疑問を口に出した。
「何で僕を助けるんだよ。死にたい人間助けて楽しいのかよ」
 その言葉に男は大きなため息をつくと僕にひきつった笑いを見せた。
「俺が助けたくて、お前を助けてると思ってるのか?ふざけんなよ!頼まれたから仕方なく仕事で助けてやってるんだよ」
 僕はまた疑問を口に出した。
「頼まれた?誰に?」
「イシャとか言う奴にだよ。イシャには時々そう言う願いをする奴がいてな。仕方なく俺はそいつの頼みを聞いてるんだよ」
 僕はその言葉を聞くと男を見つめ不審者を見るような目で見つめた。
 いや、実際不審者なのだが。
 そして男に向かい尋ねた。
「っていうかお前何者?」
 男はその言葉にまた大きなため息をついた。
「ああ、もう姿見られたから仕方ねえな。俺の名前は仮にセカイとでも呼べ。まあ、天使みたいなもんだな。人の生き死にを司る神の使いだ」
 僕は驚き大きな声で叫んだ。
「はあー??天使?神?何それ」
 セカイはそれに動じず僕をじっと見つめている。
 そして可哀相なものを見るような目つきで僕を見ると呟いた。
「よくいるんだよな。現実を直視できない奴が。目の前にいるっていうのにそれすらも理解できない。可哀相な奴だ」
 その言葉に僕はセカイを睨みつけながら、
「神がいるなら僕の病気治してよ。治せるでしょ」
 セカイの顔を睨みつけると僕は嫌みたっぷりに言葉を吐いた。
 と、同時にセカイの拳が僕の頭めがけて振り下ろされた。鈍い音と共に痛みが僕の頭走った。
「アホかお前は。自分で努力もしないで神頼みなんざ百万年早い。顔洗って出直してこい」
 セカイは拳を撫でると僕に向かい毒づいた。
 僕は殴られた頭の痛みに耐えつつ、セカイへ話しかけた。
「つまりこうだ。セカイがいる限り、僕は死ぬ事が出来ないということか」
 セカイは口の端を少し上げてにやりと笑うと僕にこの世で最もつらい言葉を吐いた。
「まあ、そう言う事だ。生きてもらう。俺が死なせない」
 僕はその言葉を聞くとセカイのタキシードの襟を掴み怒りの形相を浮かべた。
「ふざけんな。生きようが死のうが僕の勝手だ!死ぬ権利くらい与えろ!」
 そんな僕をセカイは鼻で笑うと、セカイの襟首を掴んでいた僕の手を軽々と外した。
「とりあえずお前に死ぬ権利なし。恨むならイシャを怨め」
 そう言うとタキシードの襟を直し、僕の部屋の時計を見た。
「おっともうこんな時間か。長居したな。じゃあな」
 そう言って去ろうとするセカイのマントを僕は乱暴に引っ張った。
 黙ってセカイのマントを握りしめる僕をセカイはじっと見つめると、冷たい声で僕に話しかけた。
「小僧、今すぐマントを放せ。さもないと……」
「……てけ」
 僕の声を聞き取れなかったセカイは首をかしげ聞き返した。
「あーん?何だ?」
 その声と同時に僕はセカイの目の前に立つと大きな声で叫んだ。
「そのふざけた神とか言う奴の所に僕をつれていけ!さもないと毎日、死にかけてやる!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんな感じです。
修正部分は最初の所と、途中部分いくつかです。
あとは書き上げてから修正する予定です。
さて8/31の締め切りに間に合うのかな?
 





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Last updated  2005/07/15 09:14:13 PM
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