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2005年09月09日
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 今日の通勤電車はブラームスの交響曲第2番でした。
 しょっぱななので,律儀に順番どおりということで。
 演奏はカルロ・マリア・ジュリーニ=ウィーン・フィルのグラモフォン盤。
 第2番自体かなり久しぶりです。
 ブラームスの中では一番聴かない曲かもしれない。
 だいたい第2番が聴きたくなるような日は限られていて,少し心持ちに余裕がないと聴けない(と思う。)。例えるなら,イライラしてる上司に「そんな悠長な世間話付き合ってる暇はない!」と言われかねないようなゆったりした曲なのだ。

 ところで,ジュリーニの第2番。
 ジュリーニという指揮者は,どんなときにもテンポを変えませんね。
 遅いけれど,もたれない。
 むしろ高原の雪解け水のようにすっきりしている。
 テンポの遅さとインテンポの徹底さとしてはクレンペラーに似ているけど,ちょっと違いますね。
 クレンペラーには独特の神経の図太さとしたたかさに支えられた重厚感がありますが,ジュリーニはむしろ・・・繊細で,ときには危うささえ感じさせる。透明感。
 そして,その頑として動かない不動の音楽が僕たちを揺さぶる。
 まるで物静かな老人を前にしてうろたえる若者のような気分にさせる。
 この第2番はそんなジュリーニが見事にツボにはまった音楽になっています。
 もともと小細工ができないブラームス。
 ジュリーニは,残暑の通勤電車に少しだけ涼しげな風を吹かせてくれました。

 数年前から,一切の音楽活動から引退していたジュリーニ。
 数ヶ月前の訃報に接したとき,僕はたいして驚かなかった。
 彼ももう90も越えていたはずだし,僕は引退宣言がいつだったかすら覚えていなかった。
 けれど,僕とは一切関係ないはずのイタリアの老人の死が僕に限りない喪失感を与える。
 「だれがなんと言おうと,私の音楽はこうだ。」
 彼の音楽を聴けばその頑固な信条はハッキリと感じ取れる。
 彼の表現方法は万能ではなかったけれど,どんなときも「あ,ジュリーニだ。」とわかる独特の音楽。
 絶対中身は頑固爺なんだけど,最後まで凛々しさと清涼感を失わなかったジュリーニ。
 明治生まれの海軍の生き残りのように,ピンと背筋の伸びた音楽を聴かせる,いい指揮者でした。

 ジュリーニさん,
 あなたがベルリンフィルとやったフランクの交響曲は最高にカッコよかったです。
 そして,あなたのブルックナーの第9番はカラヤンより上でした。
 ミケランジェリとの皇帝も好きです。
 病気の奥さんのために活動を制限されたのは残念でしたが,イタリア人らしい豊かな人生を感じさせるエピソードでした。
 安らかに。

 





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Last updated  2005年09月10日 02時12分44秒
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