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2005年10月02日
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 休日ですが,思うところをひとつ。
 先日,後藤田正晴氏がお亡くなりになりました。
 枕詞ではなく,決り文句でもなく,
 「ここに謹んで,哀悼の意を捧げます。」
 後藤田氏は,数年前私が関わりのあったある会議(いわゆる審議会・懇談会の類)の「顧問」でありました。
 存在意義的・筋的には非常に「危うい」会議であったが,そこに「後藤田正晴」が「顧問」として鎮座されていればこそ,省全体,いや,国全体が襟を正す会議となったのでのではないか,と今でもそう思う。
 もちろん,私はそのお声はおろか,お姿すら拝したことはない。当然ですが。
 (資料作成という名の第2バイオリンを弾いておりましたが・・・。)
 でも,私の周りの尊敬する上司・先輩には,後藤田氏の薫陶を受けた方は多数いらしゃいます。
 先日,その方々の一人と一緒に酒を飲み交わす機会があり,大変遅ればせで恥かしいことですが,「後藤田五訓」の存在を教えていただきました。
 仕事に関してはうちの課,ひいてはうちの省バリバリのやり手であるその先輩は,その「後藤田五訓」を常に見えるところに掲げ,それを旨として仕事をしておられるという。
 「先輩,それ明日教えてください。」
 「いいよ。」
 次の日,先輩から貰うまでもなく,インターネットに載っていました(もちろん先輩から「頂戴する」という仁義は通したが。)。
 
 ところで,その「後藤田五訓」。
 有名なものらしい。
 どれどれ,と読んでみる。
 
 いわく,

一、省益を忘れ、国益を想え
二、悪い本当の事実を報告せよ
三、勇気を以って意見具申せよ
四、自分の仕事でないと言うなかれ
五、決定が下ったら従い、命令は実行せよ

 ほほーっ!
 どれも現実的で,警察官僚出身の後藤田氏らしく,洞察鋭く,無駄のない訓示。
 ここにも「カミソリ後藤田」か。
 
 しかし。
 惜しむらくは,佐々淳行氏指摘のとおり,現実はまったくの逆だということ。国家の公僕たる国家公務員,しかもその中枢たる内閣5室長(当時)に対する訓示をとして,この程度のことを後藤田氏をして謂わしめなければいけなかったとは,公務員の一人として,実になさけないことと思わねばならない。

 どれも,国民の,いや,憲法上の「常識」じゃないか。
 まさにこれをするために,国家の公僕たる国家公務員はいるのではないのか?
 
 恥を忍んで,実例を挙げよう。

 「一、省益を忘れ,国益を思え。」
 →省益はおろか局益にしか目がいっていない現状は先日ご紹介したとおりである。

 「二、悪い本当の事実を報告せよ 」
 →悪い報告は聞きたくない,筋悪(スジワル)の話は持ってくるな,が霞が関の本音,霞が関の実態である。みんな耳あたりのよい報告を好む。現場のぶっちゃけ話など,本省ではもってのほか。(←だめだろう!)

 「三、勇気を以って意見具申せよ 」
 →国家公務員は,採用時に「上司の命には逆らいません」と宣誓させられる。そうでなくても,「俺が言っているんだから,そのとおりやれ!」的雰囲気がこの業界に充満している。そんななか,「この若造が!」と言われるのも省みず意見が言える人を,僕は不幸にして片手で数えるくらいしか知らない。

 「四、自分の仕事でないと言うなかれ 」
 →極論するなら,公務員はこれを言うことが仕事みたいなものである。「デマケ」問題が最大の関心事。縦割り,縦割り。縦割りの仁義。省庁間の協働体制など夢物語。新しい案件が入ると,まず第一声は「これは本当にうちの仕事か?」だ。犯罪被害者支援は骨子を固めるだけでこんだけ揉めて果たしてうまくゆくのか。同じ省,同じ局であっても,違う課の所掌の案件・事件がテレビ・新聞を通してしか情報が手に入らないことは,まさに象徴的。

 「五、決定が下ったら従い、命令は実行せよ 」
 →それが仕事であるはずなのに,「上司はああ言ってるけど,俺は違うと思うな。こうするのがほんとは正しいんだよ。」と言っている輩。ハァ?(魔邪)責任取れないくせに何生意気言ってんだよ!こうと決まったらそうするんがお前ら下っ端の仕事じゃないんかい!?中途半端なお前らのお陰で,国民も官僚も迷惑してるんだよ!!(とマイクを叩きつけ,「カンカンカン」と鐘が鳴る。当然そのあと自分でマイクを拾う魔邪の間の悪そうな照れくさい表情が好き。←かなりどうでもいい独り言で恐縮です。)

 ま,この「後藤田五訓」。
 国家公務員にとっては本当に耳に痛いものばかりです。
 でも,これを知ったからには,僕はこれを旨として仕事をしていきたいと思います。(だが,分際を越えない程度に。バランス感覚を持って。本当にこの「五訓」
をやろうとしたら能力的には求められるものは本当に際限がない。だから,あくまで「理念」として。その「精神」として。)

 その鋭さとキレから,「カミソリ」の異名をとった後藤田正晴。
 「異名をとる。」ということがどういうことなのか,後藤田正晴の死のきっかけに,皆さんに考えていただきたいと思います。
 いま,「あだ名」とか「揶揄」とかでなく,なんらか「異名」を取っている人が身の回りにいますか。有名人にいますか。政治家にいますか。
 そういうもう死語になりつつある「畏敬」の念に包まれた人が,後藤田正晴,その人でありました。
 不勉強な私の口からは多くは語りませんが,歴代,死刑執行指揮書にサインしなかった法務大臣の慣習に自ら終止符を打った人であり,中曽根時代後の総理候補最右翼であったにも関わらず,「俺はトップに立つ人間ではない。」と言って固辞し続けた人あり,その間隙を突いて宇野の超短命内閣,弱小海部内閣,その後の「新党ブーム」による政治混乱は皆さんご存知のとおりである。歴史に「もし」はないが,後藤田正晴総理大臣が実現していたら,日本はもっと侍的に「締まった」国になっていたのではないか,と,彼が91歳で亡くなったいま,やっと何人かの人が言うようになってきた。
 政界,いや,日本の「ご意見番」として,派閥,政党,民間,マスコミ,すべてのあらゆる垣根をを超えて常に存在感のあった真の「政治家」。
 
 後藤田正晴。

 後藤田五訓。

 あなたの精神は,多くの人に引き継がれている。
 僕もその一人だ。
 カミソリ後藤田,安らかに。
 最敬礼をもって。
 





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Last updated  2005年10月03日 01時55分55秒
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