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2005年11月07日
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カテゴリ:ブラームスの日々
 今日は飲み会。
 いや,今日も?

 最近また飲んでばっかりだ。
 財布もピンチだ。
 こないだ誓ったばっかりなのに。

 でも,今日の飲み会だけはどうしても外せない理由があった。

 はるばる北海道からある旧知のおじさんがやってきたのだ。

 名目は,明日本省で行われるとある協議会出席のため。

 仮に,Iさんとしよう。

 Iさんは今,病気と闘っている。

 病名は,「多発性骨髄腫」。

 一時期職場を離れていたが,今はちゃんと復帰して職務に励んでおられる。

(表向きは,「うつ」か何かでしばらく休職されていた,ということになっている。少なくとも,今も公には本当の病名は「秘」扱い。)

 今日は,Iさんの病気を知るごくごく近しい数名のみで,ささやかながら銀座の片隅の小さな居酒屋(僕の数少ないとっておきのお店)で久闊を叙したわけです。


 お酒は大丈夫ですか?

 という僕の素朴な問いに,

 大丈夫だよ,今日は薬飲んでないから。
 一日くらい飲まなくても死にはしませんよ。

 と明るく笑い飛ばすIさん。

 でも,その「死にはしない」という何気ない一言が僕達の輪の中で奇妙な現実感と重たい迫力をもって伝わっていく。

 久しぶりのせいか,ちょっとだけ顔が腫ればったい印象。

 少し太られましたか?
 ご病気だとお聞きしていたのですが?(笑)

 そうなんだよ,この病気は痩せないんだ。
 今度の「治療」の時までには○○キロ痩せろといわれてるんだけどね。
 無理だよ,運動すると骨がポキポキ折れてしまうんだから。
 そういえば,ブラームスさん,
 結婚するんですか?
 おめでとうございます。
 結婚したら,
 保険は入っておいた方がいいですよ,
 今は命が買える時代ですからね。
 おかげで私は本当に助かりました。

 抗がん剤打つ前に子供を作りましたよ。
 先月生れたんです。
 男の子。
 おかげで7歳の長女がすねちゃって・・・(笑)
 医者は遺伝の可能性は低いっていうんですが,
 いざとなったら移植は兄弟ですからね。
 親じゃだめなんです。
 この子が大きくなるまで生きている自信はありませんが。
 抗がん剤打ってしまうと,あっちの方もダメになっちゃうんです。
 生命としての力がなくなってしまうというか・・・
 恥かしい話。
 ちなみに40年間培ってきたあらゆる抗体がリセットされしまいました。
 いまなら麻疹だって水疱瘡だってやらちゃいます。

 Iさんの声はどこまでも明るい。
 しかも,看護師に近い資格と医療知識を持つIさんは,自分の身体についてどこまでも冷静に分析する。
 
 医者は言うんです。
 あと7年と言っても,医療は進歩するんだって。
 7年前ならお前こんな薬なかったぞって。
 7年経つうちにいい薬ができるかもしれないじゃないかって。

 通ってる大学病院には眼科の知り合いがいるんですが,
 「こういう病気は眼にくるかもしれないから」
 と言って毎回検査するんです。
 で,こないだ出た診断が
 「老眼」
 ですって!
 藪医者ですよ。
 ふざけてますよね!(笑)

 
 
 地下鉄まで見送ったあと,

 隣にいた先輩はつぶやいた。

 あんな病気を抱えて,よくこんな職場に戻ったよ。
 強い男だ,
 俺だったら辞めてるね。

 ヤクザと間違えられるくらい屈強なガタイの男がそうつぶやく。
 ちなみにこの先輩の医療知識も職業柄医者並。

 でも,元気そうじゃないですか,
 安心しました。
 最初はどんな感じで来られるのかと思ってましたけど。
 ちょっと腫ればったいかな,ってくらいで。
 あとは全然。

 と僕。

 そうね,しばらくは大丈夫そうだけど,
 歩き方もどことなく不自然でしょ。
 それに,あの顔の腫れは間違いなく薬だよ。

 10年来の親友に対しても,医療のプロの目は冷静だ。


 僕には何を言う資格もない。
 僕には何も言えない。
 半端な同情はよそう。
 でも僕の第六感は,彼はそうやすやすとは病気に負けたりしないだろう,と言っている。


 あ,そういえば,Iさんいわく
 
 「世界の中心で愛を叫ぶ」がキライ!
 あの歌もキライ!

 なのだそうです。
 
 本人は終始笑ってましたが,当然のことながら,現実はもっとリアルだということです。






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Last updated  2005年11月08日 09時21分47秒
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