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2005年12月18日
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カテゴリ:ベートーヴェン
 どうも,お久しぶりでございます。

 連日の忘年会続き(実は昨日も・・・)ですっかり休んでおりました。

 さて,ひょんなことからヨメさんのお友だちと私の職場の先輩とのお見合い(?)をセットすることになり,なんなら「第9」でも聞きに行くかと軽い気持ちで言ってみたところ,意外と食いつきがよかったので,今週末ヨメさんとそのお二人と一緒にBunkamuraに行って参ります。
 渋谷です(←苦手)。
 本当はせっかくだから池袋の読売日響・スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(!)が良かったのだけど,あいにく完売でした。(当然だろう・・・)

 ま,そんなわけで,ヨメさんとそのお友だちは「聴きたい。」とおっしゃるといえども「第9」と言えば終楽章のサビしかご存知ないわけで,ちょこっとレクをしておきたいと思います。
 私の職場の先輩は元ホルン吹きなのでその心配は要らないですが。

 おほん,

 まず,みなさんが「第9」と呼んでいるのは,

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の

 交響曲第9番ニ短調作品125

 のことであり,ちゃんとした副題は,

 「シラーの頌歌『歓喜に寄す』を終末合唱に持つ,大管弦楽と4声の独唱と4声の合唱のための(交響曲)」

 といいます。

 編成は,その名の示すとおり,フル・オーケストラと,ソプラノ・アルト・テノール・バスの4人のソリストと同じく4声のコーラス。

 ソリストとコーラスはフィナーレのみの登場。

 まず,これは合唱曲ではなく,交響曲です。

 ここがポイント。

 いいですか,

 合唱曲第9番ではなく,

 合唱つきの交響曲第9番ですよ。

 では,交響曲,シンフォニーとは何でしょうか。

 ごくごく簡単にいってしまえば,

 起・承・転・結のそれぞれの楽章によって構成されたオーケストラ曲です。

 なので,この「第9」は,その「結」であるフィナーレの合唱にたどり着くまでに,起・承・転の第1・第2・第3楽章を経ねばなりません。
 
 以下,簡単に説明しますが,クラシック初心者にとって,「第9」は決して短いものではありません。むしろ,かなり長く感じると思います。(CDの開発前,ソニーからその容量について相談を受けたカラヤンが「ベートーヴェンの第9交響曲が一枚で聴けるものにしろ」と答えたことはあまりにも有名。事実,今でもそのようになっています。)

 さて,第1楽章に入る前に,この長大な曲のテーマは,「苦悩から光明へ」です。(彼の第5交響曲「運命」とほぼ同じテーマ。)これを常に覚えておいてください。

 第1楽章(所要約15~18分)

 「速く(過度にならずに),荘厳に」という速度指示があります。

 ホルンと弦のぼやーっとした最弱音で,神秘的に始まります。

 それが次第に大きな山となり,その荘厳で巨大な姿が全容を現します。

 その巨大で荘厳な「主題(旋律)」が,怒涛のように荒々しく,大河のようにうねうねとうねりながら音楽は流れていきます。

 この楽章は,「苦悩」の楽章ですが,上昇と下降,肯定と否定とを繰り返し,さまざまなドラマを持ち,決して単純な「苦悩」のみの楽章ではありません。

 「運命」よりもより哲学的で宗教的と言えばいいのでしょうか。

 自分よりもあまりにも巨大なものにぶつかったときの人間の姿。

 それだけに悶え,のたうつ姿は痛々しいほどです。

 第2楽章(所要10~12分)

 壮大なスケルツオ。

 まずはスケルツオとはなんぞやから説明しましょう。

 スケルツオとは,交響曲中の「舞曲」であったメヌエットの代わりにベートーヴェンが開発したもので,通常,「急-緩-急」(「A-B-A」)の構成をもちます。

 通常は第2楽章は緩徐楽章となるところ,ここでスケルツオを持ってきた効果は絶大で,第1楽章のテーマ「苦悩」を引き継ぐものです。(この手法は,のちにブルックナーやマーラーに「お手本」的に引き継がれていきます。)

 しかし,ここでは「苦悩」というよりも「葛藤」の方が近いものになっています。

 それも単純には「葛藤」とは一言では言い切れません。

 多少の諧謔も入り,さまざまな人間的で複雑な感情が入り乱れています。

 このスケルツオは,あまりにもスケールがでかすぎるので,単純には「急-緩-急」,「A-B-A」とは聴こえてこないかもしれません。

 むしろ

 「急・急・急-緩・緩・緩-急・急・急」,
 「A・A'・A”-B・B'・B”-A・A'・A”」


 と思って聴いたほうがよいでしょう。

 この楽章の主題(旋律)は有名なので,テレビなので聴いたことのある人も多いはずです。

 ちなみに,この交響曲の初演のときは,この楽章の途中で感動した聴衆の拍手のために演奏が一時中断された,というエピソードが残っています。

 第3楽章(所要約16~18分)

 アダージョ・モルト・カンタービレ。

 ゆっくりと,歌うように。

 カンタービレは,あの「のだめカンタービレ」のカンタービレです。

 夢見るような緩徐楽章。

 第1楽章・第2楽章の「苦悩」「葛藤」との戦いから,安らぎを見出したひとときの休息。そこで見る夢のようなものでしょうか。

 あまりにもゆっくりすしぎで旋律が捉えきれないかもしれないかもしれませんが,優美な旋律が諸処に散りばめられています。

 眠ることなく耳を傾けてみましょう。

 最後に「寝ててはいけない,起きろ!」と言う警告が発せられますが,寝ているあなたに対してではなく,「この夢のなかに安住していてはだめだ!」というこの交響曲の哲学的警告ですので,ご安心を。

 第4楽章(所要約22~25分)

 さあ,やっとフィナーレです。

 いきなりオーケストラが咆哮し,

 「駄目だ駄目だ駄目だ!」

 と否定します。

 ここからあとに続く「否定」のコントラバスは,まるで人間のイントネーションのように雄弁で,歌っているというよりも,人間が喋っているようです。

 唐突に第1楽章の主題(旋律)がヴァイオリンの弱音で出て来て,次に第2楽章が木管で,同じく第3楽章が,次々に短く回想されますが,それらはすべて次々と雄弁なコントラバスによって否定されます。

 「苦悩」も,「葛藤」も,「安らぎ」も,ここですべて否定されるわけです。

 そして,それらを否定する雄弁なコントラバスに混じって,有名な「喜びの主題」がほんの少し芽を出します。

 コントラバス軍団は,始めそれを無視するか,力で否定しようとしますが,無視も否定も出来ず,次第に「喜びの主題」に支配され,一体となり,ついには完全に撤退してしまいます。

 沈黙・・・

 そして地の底から・・・

 コントラバスが最弱音で「喜びの主題」を奏し始めます。

 一歩一歩噛みしめながら,しかしまだ少しためいらいがちに。

 否定でななく,大いなる肯定として,彼らが戻ってきます。

 ヴァイオリンがそれにややしく包み込み,それを助け,ヴィオラ・チェロが後を追いながら内声部を充実させ,「喜びの主題」を確固たるものとします。

 ついにはフル・オーケストラがそれに賛同し,頂点を築きます。

 でも突然また最初の「駄目だ駄目だ駄目だ!」が戻ってきて・・・,
 
 そして,待ってました!

 「オオ~・フロ~インデ・二ヒト・ディーゼ・テーナ~」

 とバス独唱(人間)が高らかに歌い始めます。

 「おお,友よ,そんな調べでは駄目なのだ!
  声を合わせてもっと楽しく歌おうではないか!
  もっと喜びに溢れる調べで!」

 
 このセリフはシラーの詩ではなく,ベートーヴェンが自分で冒頭につけ足したものです。

 「おお,友よ,この調べではない!」と。

 つまり,第1・第2・第3楽章の否定であり,第4楽章の冒頭の「否定のコントラバス」の肉声版です。

 バス独唱が続いて歌います。

 「喜び,それは神から発する美しい火花,
  楽園の遣わす美しい娘,
  私たちは熱い感動に突き動かされ,
  気高い喜びよ,おまえの世界に歩みいる!
  おまえはこの世のしきたりが冷たく引き裂いたものを,
  不思議な力で結び付ける。
  お前のやさしい翼に抱かれると,
  すべてのものは同胞となる。」

 
 コーラスがそれを追唱します。

 そのあとソプラノ・アルト・テノール・バスの独唱によるカルテット(四重唱)と4声の合唱。

 「心の通じ合える真の友を得るという
  難しい望みがかなった者も,
  やさしい伴侶を得ることができた者も,
  ともに喜びの声を出して合わせよ!
  そうだ,この広い世の中でたった一人でも
  心が分かち合える相手がいるのなら,ともに和すのだ!
  それさえ出来ぬ者は,喜びの仲間から去っていくがいい!」

 「すべてのものは自然の懐に抱かれ
  その乳房から喜びをいっぱいに吸っている。
  操正しい者も邪な者もすべて
  薔薇の香りに誘われて自然の懐に入っていく。
  自然は私たちに口づけとぶどうと,
  生死の試練を分かち合う友を与えてくれた。
  快楽などは虫に投げ与えてしまえば,
  知と正を司る天使が神の前に姿を表す!」

  
 オーケストラがそれを盛り上げます。

 そして一つのクライマックスを迎え,また突然の沈黙。

 ・・・・・・・。

 ・・・ドン・ドン・ドン・ドン

 と2拍の小さな太鼓の音が聞こえてきます。

 それが次第に大きくなり,行進曲となっていきます。

 テノール独唱+テノール合唱。(←個人的にここが一番好き)

 「フロー,フロー!」
 「ヴィー・ザイネ・ゾンゲン・フィーゲン
  ドシュ・デス・ヒンメル・プレヒテン・プラーン!」
 「ラウフェット・ブリューダー・アイネ・バーアン
  フリューヒック・ヴィー・エン・ヘルド・ゼム・ジーゲン!」
 


 「喜びに溢れて,ちょうど満天の星々が
  壮大な天の夜空を悠然とめぐるように,
  同胞よ,おまえたちも与えられた道を進むのだ!
  喜び勇み,勝利の王道を進む英雄のように!」


 そこからこの交響曲中最も充実した部分に入ります。

 弦主導のオーケストラが,多重的に何層にもわたる声部によって,金色の騎兵たちの馬蹄のような勇壮華麗なフーガを奏します。

 美しい音楽です。

 その金色の音に導かれ,「第9」のサビ中のサビが登場します!(おまたせしました!)

 大合唱!

 「喜び,それは神から発する美しい火花,
  楽園の遣わす美しい娘,
  私たちは熱い感動に突き動かされ,
  気高い喜びよ,おまえの世界に歩みいる!
  おまえはこの世のしきたりが冷たく引き裂いたものを,
  不思議な力で結び付ける。
  お前のやさしい翼に抱かれると,
  すべてのものは同胞となる!」


 つづきはまた明日・・・zzz
 

 
 





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Last updated  2005年12月19日 02時13分10秒
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