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カテゴリ:ブラームスの日々
昨夜は,久しぶりに新宿で幼馴染と一緒に食事をとった。
「たまには一緒に御飯でもどうですか?」 と僕が女性から食事に誘われるなんて,珍しいこともあるものだ(笑)。 実は彼女,ずっと長い間ある夢を追いかけている。 それは,女優になること。 彼女が九州の片田舎から東京に飛び出してきてもう10年近くなる。 東京でその関係の専門学校を卒業したあとは,それほど大きくない劇団にしばらく所属していたが,一年ほど前にそれも辞めて,今はフリーだ。 今日はバイト帰りだということだった。 自分でいろいろなところに売り込んで一応稼いではいるらしいが,それでは十分とはいえないらしい。 食事を取りながら,どこそこの誰ちゃんは今どうしてるとか,昔飼ってたあの犬は可愛かったとか,そんな他愛のない懐かしい話で盛り上がれるなんて,いいですね,幼馴染というものは。 でも彼女の近況を聞くと,本当によくがんばってるなあ,と感心してしまう。 何と言っても,彼女の「眼ぢから」はすごい。 瞳の奥からキラキラと輝いている。 それは何かに向かって一生懸命生きている人間の眼だ。 好きなことを好きなだけやっている,生きているのが楽しくて楽しくて仕方がない人の眼だ。 子供のときから全然変わっていない。 その眼があまりにも眩しくて,おじさんはまともに視線を合わせられなかったよ。 つまらならい顔して愚痴まじりに仕事している自分がみじめに思えるほどだったよ。本当に。 さて,話を聞けば,彼女,実はいま結構活躍しているらしい。 いま皆さんが毎日見ている,または最近見たある有名なポスターに,小さいけれども彼女が写っている。 来年1月には舞台に出る。お笑い系らしいが,エキストラではなく,ちゃんとした役をもらって。いままで踊り中心だったけど,今度はセリフ中心。 極めつけは来春封切りの映画に出演。有名どころの俳優女優がたくさん出演している中に混じって。もちろんまだ大きいフォントのキャストの中に名に連ねるというわけにはいかないが,通りすがりの通行人ではない。たくさんカットも撮ったし,出番は少なくないらしい。とにかく初挑戦だ。 「あ~あ,予定では今ごろ私も中○美○さん(←その映画の主役女優)くらいなっていたはずなのに・・・でもいつか,私も。。。」 と言う声もどことなく明るい。 「一年くらい前から映画づくり目指してる人と付き合いはじめてて。おかげで芸術系ちょっと目覚めたんです。役作りも変わってきたってよく言われるんです。」 実は結構な年下なので,タメ語のなかに敬語まじりで話してくれる。 「あ,そうそう,これを渡そうと思って」 と帰り際に大きな紙袋をもらった。 「遅れましたけど,結婚祝いです。おめでとうございます。」 「コンランショップって知ってます?結構選ぶの楽しかったんですよ。」 しらない,って僕が答えると,ちょっと残念そうな顔をされた。 家に帰ってヨメさんにコンランショップのプレゼント貰ったよ,と電話で報告すると, 「あら,コンランショップは高いのよ。ちゃんとお礼しなきゃね。」 と教えられた。 でも一応食事代は僕が払ったよ,と言うと,「それで足りるかしら。」と怒られてしまった。 ずいぶんあっさりと書いてしまったが,一生懸命がんばって稼いでいるお金で,忙しいなか自分で選んでくれたこと自体が嬉しかった。しかもそれが高価なものだったとは。申し訳ないのを通り越してその心遣いに感激してしまう。 中身も「ほー!」と思わず声が出るくらい,とてもセンスのいいものだった。 映画の彼のお陰かね。 今度またちゃんとお礼しなきゃーな。 僕もたまには元気もらいたいし。 ヨメさん(←舞台好き)と一緒に彼女の舞台を見に行けたらいいんだけどなあ・・・。 がんばれ,夢を追う人。 ブラームスおじさんは応援してるぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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