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2006年02月19日
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 先日の信州旅行に携行したのは,このCDと村上春樹の「東京奇譚集」でした。

 大宮駅の平和なエスカレーターで,「ハイドン変奏曲」が僕のイヤホンから流れたとき,とても幸福な気分になりました。

 この「聖アントニーのコラール」の主題が,まろやかでまっすぐな木管たちによって奏されたとき,恩師に再び再会できる喜びと,一歩前へ進もうとしている充実感に満たされる,そんな気分になりました。

 その恩師の話は一先ず置いといて(長くなりますので),今夜はこのCDについて。

 先日も紹介した,カルロ・マリア・ジュリーニ&ウィーン・フィルハーモニーのブラームス・チクルスから,第3交響曲とハイドン変奏曲です。

 ジュリーニのブラームス第3交響曲

 僕が高校生のころ,どうしてもこのCDが欲しかったのだけど,九州の田舎ではなかなか手に入らなくて,レコード芸術誌面で公募してやっと手に入れた思い出の一枚です。(譲っていただいたのは,神奈川県の親切な年配のクラシック愛好家の方でした。)

 ジュリーニの第3交響曲の特徴は,音楽を「流す」のではなく,ぐぐっと「持ち上げる」ところにあります。

 カラヤンのようなダイナミックな流麗さはありませんが,ひとつひとつの音が丁寧かつ誠実に存在しており,それが大きなうねりを形勢しています。

「浮世離れした悠然たるテンポで歌い始めても演奏がだれることがないのは,音楽の構成がしっかりとしており各声部の縦の線がずれないからだろう」(村井翔,1993)

 「各声部の縦の線がずれない」とは,この録音の核となるものの真ん中を射抜いたよい表現だと思います。

 先日紹介した第1交響曲に負けず劣らず,彼が残した録音のなかの白眉中の白眉です。


 カップリングされている「ハイドン変奏曲」は,正しくは「ハイドンの主題による変奏曲」といいます。

 しかし,こので使われている主題(テーマ,主旋律のことです)は,「交響曲の父」ヨーゼフ・ハイドンのオリジナルの作というよりは,ハイドン自身となんらかかかわりのあった賛美歌「聖アントニウス」(「聖アントニーのコラール」)の主題からとられたものであるようです。

 冒頭にも書きましたが,木管たちの平和な響きで始まります。

 それは,

 「さあ,今からはじめよう」

 という若者のさわやかな声のようです。

 「変奏曲」とは,いわばアレンジです。

 与えられた主題を加工し,粋な表現に変えること・・・方向性としては多分に即興的で,雰囲気としてはいささかジャズっぽいものですね。

 伝説では,ブラームスはおもちゃの軍隊をたくさん持っていて,一人部屋にこもってその「軍隊」をいろいろな形で「布陣」させたり「行進」させたりする遊びが大人になっても好きだったようで(ネクラですね~),ブラームスの「変奏曲好き」な傾向をその「おもちゃの軍隊」のフォーメーションに凝る姿に原因を求めようとする説があります。

 だからというわけではありませんが,僕はこの曲を聴くと,どうしても「おもちゃの軍隊」が頭に浮かんできます。

 かれらが整然と行進し,一糸乱れずいろいろな形に布陣していく姿が。(若干アニメチックな映像ですが)

 この曲はフィナーレを含めて第9変奏まであり,演奏時間も20分近くなりますが,内容はまったく深刻なものではなく,セレナーデ第1番と似た朗らかな雰囲気を持っており,平和な休日の午後に聴くにはもってこいの曲です。

 ジュリーニの誠実で丁寧な,訥々たる音楽作りは,この曲のツボに見事にはまり,ウィーン・フィルの美音と相まって,幸福な曲の幸福な演奏記録となっています。まるで見えないところまで装飾の施してある大理石の通路を歩いているような,そんな演奏です。


 このジャケットの凛々しい写真とともに,僕のジュリーニ好きを決定付けた,僕の思い出のCDの紹介でした。

 
 ところで,ジュリーニは,やっぱりクリント・イーストウッドに似てますよね・・・(しつこい?)
 

 





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Last updated  2006年02月19日 23時52分04秒
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