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テーマ:今日聴いた音楽(75223)
カテゴリ:ブラームスのひとりごと
夜、マーラーの『さすらう若人の歌』を聴いていると、
ふと、 すでに忘れかけていた 「青春」 の二文字が胸によみがえってきた。 ちょっと不謹慎な気分になって、ドキドキしてしまったのは、 あの青く幼きころへの羞恥心のせいだろうか。 もう一度あのころへ戻りたいかと聞かれれば、 僕はたぶんノーと言うだろう。 やり直せるものなら、やり直したい過去はたくさんあるけど、 それはこれから起こることも同じだろうし、 それに、今の意識のままに過去に戻ったとしても、 無用の苦痛以外なにものでもないだろう。 二度とない若さ、二度とない「今」を一生懸命に生きることを歌い上げたのが 『さすらう若人の歌』 であるのだが、 僕はこの歌に、ある種独特ののやるせなさとせつなさと、胸を締め付ける甘酸っぱさと、 一種の清清しさを覚えます。 彼の交響曲第1番は、この歌の素材を巨大に発展させたものであることは、 すでに言わずもがなのことですが、 彼の壮大な音響世界の原点は、とても身近な事件やそれに伴う人間的・個人的な感情にあることを示す代表例だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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