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2006年09月27日
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 秋が深まってくると、

 やはり無性にブラームスが聴きたくなる。

 そしてその中でも特に、

 ブラームスの交響曲第4番ホ短調という曲は

 僕たちにとってとてもかけがえのない曲になる。

 ところでブルーノ・ワルター(1876~1962)という指揮者は、

 僕にとってとても不思議な存在である。

 同じマーラーの門下生である、かのオットー・クレンペラーと並び称される

 名声を持つマエストロでありながら、

 これといった個性もなく、どちらかというと柔らかいイメージが先行し、

 至極穏当無難で、スケールも等身大である。

 しかし彼の残した録音を聞けば聞くほど、

 どの録音も妙にツボにはまった不思議な雰囲気を出している。

 このブラームスの4番も、枯淡の境地に達した

 ブラームスのこころ、

 その雰囲気が見事に表現されている。

 この空気は、フルトヴェングラーでさえ出すことのできない稀有のものだ。

 以下の文章は、僕の文章ではない。

 山崎浩太郎(「名指揮者列伝」(2005))からの引用である。

 ワルターという指揮者は、

 音楽の「気」を読み、それを音として出せる人であった。

 眼光紙背に徹し理論的に音楽を構築するのではなく、

 スコアの「気」を音楽にする、という魔力を持っていた。

 しかし、同時にそれが彼の音楽の限界でもあった。
 
 作品に同一化するあまり、

 音楽を俯瞰することができず、

 したがって、

 クレンペラーのようなスケールの巨大さも、

 トスカニーニのような構築力も持ちえることができなかった。

 すでに同時代のオーケストラの楽屋裏では、

 「ワルターはよい音楽家だが、よい技術者ではない」

 という声が聞こえていた。



 しかし、彼の残した多くの録音は、

 まさにその

 作品の「気」、音楽の「気」が、

 立ち上ってくる貴重なものである。

 周りを見渡せば何かと世知辛いこの21世紀の初頭にあって、

 秋の風を感じながら

 彼のブラームスを聴けるということは、

 とても幸福なことであり、幸福な時間である。

 神に感謝したい。





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Last updated  2006年09月27日 22時14分56秒
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