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テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:マーラー
この曲を聴くことは、 夜という名の闇をくぐり抜ける という危険な行為のバーチャル体験である。 夜は、昼には起きないことが起こる。 夜には、昼にはいないものがいる。 昼の光の中での常識は、夜の闇の中では通用しない。 魑魅魍魎の住む世界。 それは現代においても変わらない。 村上春樹は、「アフター・ダーク」において、理不尽な闇の世界の営みを描いてみせた。 もちろん、夜は永遠ではない。 必ず夜明けはやってくる。 朝の光とともに、夜の支配は消えて、朝の秩序が戻ってくる。 しかしながら、それは闇が光の力で見えにくくなっただけであって、闇は消えてはいないのだ。 光の力が弱まり、夜が来れば、闇はまた力を取り戻す。 漆黒の闇を静かにねり歩く「夜のパトロール」、第1楽章 悪魔が住む山に迷い込んだような、第2楽章 恐怖心をあおる蝙蝠のダンス、第3楽章 夜明け間近の午前4時35分、第4楽章 眩いばかりの朝日、光の力と、夜の撤退。第5楽章 秋の夜長に、いかがですか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月24日 00時38分22秒
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