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2006年12月04日
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 当直明け。

 いつものことだが、

 24時間精一杯施設管理に徹したという充実感よりは、

 自分の力不足と、もう少しきちんとやれたのでは…という悔恨と、

 そして抗いようのない肉体の疲労が残る。

 今日は、所用があることを理由に、午後は年次休暇をもらうことにした。

 「夕方の会議には出席します。」

 と休暇の決裁の際に申し添えると、

 「今日の会議はそんなに重たくないし、係長は出てこなくてよいよ。ゆっくり休みなさい。課長にも言っておくから。」

 という所長のありがたい言葉に無遠慮にも飛びつき、

 「ではそのようにさせていただきます。」

 そのようにさせていただいた。

 昼、所用を済ませ、狭いソファーに寝転んで本を読みながら

 ブラームスの第3&第4シンフォニーを聴いているうちに、

 どうしようもなく眠くなってきた。

 オットー・クレンペラーが、いつにも増して平板に聞こえて仕方がない。

 しばらく眼を閉じ、次に眼を開けたときには外は冷たく灰色になっていた。



 オットー・クレンペラー(1885-1973)は、不思議な指揮者だ。

 よいときは余人には及びもつかない大名演をやってのけるくせに、

 悪いときはとことんつまらない平均以下の演奏で終わってしまう。

 彼の音楽の特徴は、よく言えばスケールの大きい悠然とした音楽の運びであり、

 悪く言えば、無遠慮で退屈なインテンポでしかない。

 それがツボにはまるはまらないは、楽曲によるものではなく、

 これは僕の推測にすぎないのだが…

 どうやらクレンペラー自身の気分の斑(むら)にあるらしい。

 確かに、人には調子のよいときと悪いときがあるけれども、

 彼の残した「名演」と「駄演」の落差は、それでは説明のしようのないくらい大きい。

 今日僕が眠りこけながらかけたのはEMIの正規録音だけど、

 これが第3も第4も、何度聴いても、

 やはり平均以下の駄演にすぎない。

 まるで「テーブルで冷めてしまったレギュラー・コーヒー」みたいな、

 毒にも薬にもならない演奏。

 ただそこにあるだけ。

 ただそにに鳴っているだけ。

 彼の同一チクルスの第1と第2の充実ぶりを知っているだけに、

 ここでクレンペラーの斑気が出てしまったのは、とても惜しい。

 しかしその代わり、

 彼はブラームスの第4シンフォニーに関しては、

 バイエルン放送交響楽団と大変な名演奏を遺している。

 ここで聴かれる「気」の充溢ぶりは、

 これがあの「冷めたコーヒー」みたいな演奏と同一人物の指揮者か!?

 と耳を疑ってしまうほど。

 これはまさしく極上の豆を使って丁寧に炒れた、白い湯気の香る正真正銘の正統派コーヒーである。

 クレンペラーの斑(むら)、

 困ったものだが、

 これがこの破天荒な指揮者の大きな魅力でもある。

 だがひとつだけ恨み言を言わせてもらうなら、

 彼が、僕の大好きなブラームスの第3交響曲について、

 第4ほどの名演を遺さなかったこと。

 僕もたぶんに気分屋で、斑気なところがあるので、

 人のことは言えないけれども、、、

 今夜は反省の意味を込めて、彼のこの第4の名演奏を聴いて寝ることとしよう。

 所長、今日は休ませていただきました。

 明日からまたがんばります。

   クレンペラー4
 オットー・クレンペラー指揮
 バイエルン放送交響楽団(1957年ライヴ録音)
 J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番
 ヨハネス・ブラームス 交響曲第4番





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Last updated  2006年12月04日 22時35分15秒
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