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テーマ:好きなクラシック(2316)
カテゴリ:ラフマニノフ
この聴きやすさ、 この耳あたりのよさは、 まるで映画音楽である。 実際、何年か前のテレビドラマでテーマ曲として使われていた記憶がある。 初演当時、 「飴と蜂蜜でべたべたの交響曲」 と揶揄されたこの「甘~い」交響曲は、 しかしながら、その甘美さの中に退廃的な陰りを湛えた名曲である。 退廃的といっても、爛熟の汚らしさは皆無で、 清々しく純粋な思いが込められている。 青春の日の過ちに対する悔恨とそれと同じだけの懐かしみ。 プレトニョフは、徹底して控えめな表現により、 この交響曲に新しい光を当てている。 彼の率いるロシア・ナショナル管弦楽団は、 彼が結集・結成した精鋭のオーケストラ。 とても繊細で美しい音を聞かせてくれる。 併録の幻想曲「岩」もまた名演。 年に一度くらい、こんな曲を聴いてみるのも悪くない。 たまには昔のことも思い出さないと、 忘れてしまう。 そういえば夕方、旧友から電話が入っていたな。 年末にでも会えればいいのだが、 お互いすっかり忙しくなってしまった。 「落ち着いたら」「そのうち」なんて、 言ってるうちに、また1年が経っちまうぜ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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