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テーマ:好きなクラシック(2316)
カテゴリ:ベートーヴェン
「好きなクラシック」への100回目の投稿となりました。 さて、今年の最後を飾るのは、 ベートーヴェン作曲『合唱幻想曲』です。 あまり有名どころではありませんが、 ピアノ、二管編成のフル・オーケストラと4部合唱を伴う 規模の大きなものです。 ちなみに、曲の途中でご丁寧に弦楽四重奏までが挿入されます。 この実験的な編成と楽想は、あの『第9』のフィナーレの原型となったもの、だと言われています。 もちろん、「実験的」要素の強い作品ですから、 曲自身の構成力はかの『第9』にははるか及びませんが、 『第9』にちょっと食傷気味の年末に、 ほっと一息つかせくれる シンプルでかわいらしい曲です。 歌詞も、あの『第9』的な気分にとてもよく似た 音楽と芸術と人生の歓びに対する『賛歌』となっています。 CDは最近の録音から、 エレーヌ・グリモーのピアノ、 エサ=ペッカ・サロネン指揮 スウェーデン放送交響楽団・同合唱団の演奏で。 北欧の清らかな冷気に包まれた、若々しくてさわやかな録音です。 『合唱幻想曲』 快く優しく愛らしい響き、 われらが生のハーモニー、 美の感性を揺り動かして、 花を咲かせる、永遠の花を。 平和と歓喜、親しげに滑り出す、 寄せては返す波のごとく、戯れながら走り出す、 荒々しく敵対しながら寄せ来るもの、 秩序ある高き感情に変わりゆく。 音の不思議、はたらいて、 言葉の神聖、語られしとき、 栄光は形作られ、 夜と嵐は光とならん。 外なる静寂、内なる至福が 幸なるものを支配する。 もって芸術の春の太陽は その両者から光を生じさせる。 心に迫り来る偉大なるもの かくて新たに美しく、高みに向けて花開き、 精神は高揚し、 あらゆる精神の合唱がそれに唱和する。 受けよ、汝ら美しき魂どもよ、 歓びもて美しき芸術の賜物を。 愛と力が結ばれしとき、 人は神の恩寵を受く。 ではまた来年。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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