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2007年01月05日
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カテゴリ:マーラー
 われらが肉の弱きを

 たえざる勇気もて力づけ

 光もて五官をを高め

 愛を心に注ぎたまえ



 マーラーの第8交響曲(通称『千人の交響曲』)からの一節ですが、

 僕はこの歌詞とこの部分の音楽の絶妙な熔け合いが、

 マーラーの遺した表現技法のひとつの頂点だと思っています。

 この交響曲はほかにもたくさんの音楽的(または音量的)クライマックスが

 ありますが、ここの部分ほど密度が濃く静かに充実した部分もないでしょう。

 そしてこの詩は、


 敵を遠く退け

 ただちに平安を与えたまえ



 という弦の力強い全奏を導くイントロダクションとしての役割を果たすとともに、

 この20分におよぶハイ・テンションの第1楽章から

 静寂の第2楽章への橋渡しを行う

 重要な動機としての役割を果たしているのです。

 そして、ゲーテの『ファウスト』最終章からその歌詞がとられた

 第2楽章において、この箇所の動機が引用されます。


 大地の残りくずを担うのは、

 我らにも苦しいことだ・・・



 ところでみなさん、レナード・バーンスタインを覚えていますか。

 この録音は、彼「レニー」がカラヤンの「最後の牙城」ザルツブルク音楽祭へ文字通り

 「乗り込んだ」ときの記録です。

 これを聴いたカラヤンは、バーンスタインのヨーロッパでの今後の活動を阻害すべく

側近たちにあらゆる妨害工作を矢継ぎ早に指示したとか。

 この演奏よりも美しい演奏ならば、アバド=ベルリン・フィルのものをはじめ、私達は

5指にあまるほど挙げることができます。

 が、この演奏よりも「力」があるものといったら、わたし達はその右に並べるべきものを知りません。


 「レニー」ことレナード・バーンスタインのマーラー交響曲全集は、未完のままです。

 この第8交響曲を除いては。

 彼は、カラヤンの死の1年後の1990年、鬼籍に入りました。

 この録音は、彼の死後、その全集に補完的にあてがわれた不完全な「予定外のライヴ録音」なのですが、

 それでもなお、この初演に1030人を要したギネス級の交響曲演奏史上の金字塔として、

独自の存在感を放つものとして永遠に語り継がれるものでありましょう。


 もしあなたがこの交響曲の聴く機会があるのならば、

 僕は、この音楽の音量的な派手さだけでなく、

 内的に充実した部分にも耳を傾けてほしいと思っています。 

 そして、この最後の「神秘の合唱」の歌詞の意味を

 僕と一緒に考えて欲しいと思うのです。


 すべて無常なるものは

 ただの比喩にすぎない

 われわれがおよび難きものが

 ここに成し遂げられた

 永遠にして女性的なるもの、

 われらを引きて昇らしむ。





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Last updated  2007年01月06日 01時09分43秒
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