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カテゴリ:ブラームスの日々
ちょっと前から歯医者に通ってる。
なかなか親切な歯医者さんで、近所の評判もよい。 僕の感覚からすると、少し丁寧すぎるくらいだ。 こないだなんて、詰め物の金属をひとつ入れるのに 1時間ちかくかけて合わせてくれた。 今日は、歯石取り。 これも超音波で丁寧にやってくれる。 診療台の上で口を開けてじっとしてると、 過去のいろんな苦い経験を思い出す。 仕事上の不愉快な出来事から、子供だったころまで。 楽しかったことは、不思議と思い出さない。 後悔やら怒りやら情けないやらのいろんな感情が襲ってきて、 思わず反射的に顔が歪む。 「あ、ごめんなさい、しみましたか?痛かったですか?」 と何度か先生が手を引っ込められてしまったけど、 「いえ、そうじゃありません。ちょっと過去の嫌なこと思い出しただけだから」 と言おうにも、 僕の口は開いたままだ。 せめて首をわずかに横にふるのが精一杯。 でも、傍にいた若い女性の看護師さんに 「大のおとながこれくらいで痛がって情けないわ」 と思われてしまったかもしれないな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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