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テーマ:好きなクラシック(2316)
カテゴリ:マーラー
いわゆる「角笛交響曲群」を生んだマーラーの世界の原点であり、彼が造った「王国」でもあります。 代表的なところでは、 「魚に説教するパドヴァのアントニオ」「原光」は 彼の交響曲第2番「復活」において、ほぼ原曲のまま登場します。 若書きの第1番を除き、第3番、第4番まではこの歌曲集の「王国」の支配下にあると言っていいでしょう。 ところで、 標題のレヴェルゲ(死んだ鼓手)。 「僕は死ぬまで行進せねばならぬ!」 という歌詞に象徴されるように、 課せられた使命の到達点が「死」や「敗北」だとわかっていても、 どうしてもそれに逆らうことができず、 「行進」を止めることができない、そんな「滑稽な悲劇」を歌う哀しい唄。 これが後の大曲 交響曲第6番「悲劇的」 の原点であり、 この小品にその双葉の芽吹きをはっきりと感じることができます。 「厭々ながらの行進」と「滑稽な悲劇」は、彼の半生をかけたテーマだったようです。 僕はこの曲を聴くと、個人的な情景として「二百三高地」を思い浮かべてしまいます。 しかしこのレヴェルゲに漂う独特の哀愁は、 古代の防人のようでもあり、 現代の官僚やサラリーマンのようでもあり、 不思議な共有性・共時性で僕たちの共感を誘います。 ♪ 「ああ、兄弟よ、僕は撃たれた。 弾が僕に当たったのだ。 僕を兵舎に運んでくれ」 トライラリ・トライラライ・トライラレ(行進の歩調) 「ああ、兄弟よ、僕はお前を運べない。 敵軍が僕らを打ち負かしたのだ。 神様だけがお前を助ける」 トライラリ・トライラライ・トライラレ 「ああ、兄弟よ、君たちは通り過ぎるのか、 まるで僕がもうおしまいであるかのように」 トライラリ・トライラライ・トライラレ 「僕は太鼓を打ち鳴らさねばならぬ。 でないと僕はひとりになってしまう」 トライラリ・トライラライ・トライラレ 「兄弟たちは刈られた草のように いっぱいに大地に横たわっている」 でもその鼓手は、最初からもうすでに死んでいるのだ。 それは出だしの歌詞を聞けばわかる。 「朝の3時から4時までの間、 あの小道を行ったり来たり。 僕たち兵士は行進せねばならぬ・・・」 トライラリ・トライラライ・トライラレ・・・ 僕の恋人が見下ろしている。 トライラリ・トライラライ・トライラレ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年03月19日 23時55分20秒
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