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テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:ベートーヴェン
ドイツ・グラモフォンに録音した。 しかも、曲はベートーヴェン。 交響曲第5番と第7番。 これは快挙である。 指揮者の名前は、グスターボ・ドゥダメル。 風貌からして、サッカーでもやってそうな 精悍な南米の若者だ。 今、彼の若き才能を、 世界の巨匠は口を揃えて絶賛している(らしい)。 でも、最近の僕はちょっと傲慢になってて、 自分の耳しか信じないことにしている。 CDを買って、2度聴いてみた。 なるほど、とてもレベルが高い。 とても精緻な演奏で、細かい音符までよく聞こえる。 スピード感、リズム感もよい。 でも、それだけでは寂しいかな、と思ってもう一度聴きなおしてみる。 とてもスタイリッシュで、若者らしい演奏だ。 すばらしい。 そう思える瞬間は何度か訪れる。 でも、あえて言ってしまおう、 音楽の中身は学芸会レベルでしかない。 とてもじゃないが、人生の貴重な時間を割いて3度聴く価値はない。 ベートーヴェンの「こころ」が何処にもないのだ。 「仏作って魂いれず」のベートーヴェンである。 なぜ僕がここまで言い切れるのか。 それは、10年前の同じ曲目でデビューした クリスティアン・ティーレマンの録音を聴けばよくわかる。 このベートーヴェンの熱い魂の燃焼に比べたら、 ドゥダメルはただ上手に楽器を鳴らしているようにしか聞こえない。 音楽としての鳴りっぷり・響きっぷりに天と地ほどの差があるのだ。 はっきり言って、音楽の「格」が違いすぎるのだ。 しかし、若いドゥダメルに罪はない。 いきなり地元ユース・オケで 星の数ほどあるベートーヴェン第5・第7と対抗しようというのだから、 ドイツ・グラモフォンも酷な企画を立てたものだ。 もっと彼らの個性を出せるような選曲の仕方もあったはずだろうけど・・・ でも、ドイツ・グラモフォンは、この若い南米の指揮者に並々ならぬ期待を寄せているのだろう。 第2のクリスティアン・ティーレマン級の逸材として。 ドゥダメルはまだ26歳。 近年稀に見る逸材であることには変わりはない。 しばらく温かく見守っていこうと思う。 クリスティアン・ティーレマン&フィルハーモニア管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲第5番&第7番(1996) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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