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カテゴリ:ブラームスのひとりごと
今日はその帰りに、事務的な用事を済ませるため故郷に立ち寄る。 けれども、実家には寄らない。 事情があって、実家にはもう一年以上立ち寄っていない。 (たぶん、もう二度と帰ることはないだろう) 僕は田舎を捨てた。 捨てさせられた。 僕が捨てた田舎は、懐かしい匂いがしたが、それは哀しいくらいに哀れで古くさい匂いだった。 待合室のコンクリートにたまった埃の匂い、 バスの中の陽に焼けたシートの匂い、 街中に降りたシャッターの鉄さびの匂い、 水路に滞った汚水の匂い。 こうなったのは、やはり僕せいだろうか? いや、誰も僕を非難することはできないはずだ。 でも、僕の心に若干の後ろめたさが残るのは、なぜだろう。 それは、知らず知らずのうちに現実から目をそらし、 問題に正面から向き合うことを避けてきたことに対する、 報いなのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年05月27日 16時44分32秒
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