|
テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:ヨハネス・ブラームスの音楽
だから妻は、この第一楽章の出だしのホルンが大嫌いです。 なにせ、毎日5時半起きですから。 朝の音楽変えてみようか? とやさしく提案しても 「嫌いな音楽が増えるだからいい」 とのこと。 この愛らしいブラームスの名曲「セレナーデ第1番」嫌いの人間を一人作ってしまったのは、 ひとえに僕の責任です。 最近出たアバドのこのCDは、 旧録音であるベルリン・フィルよりも細かいニュアンスに溢れ、 まるで室内楽のように音楽が充実しています。 旧録音はいま聞き返してもベルリン・フィルの重厚かつ機能的な響きが素晴らしいのですが、 どこか「カラヤンのオケをアバドが振っている」感がして、アバドのタクトもいささかにオケに流されてしまっているような気がしないでもありません。 しかし今度の新録音では、「手兵」マーラー・チェンバー・オーケストラですから、 それこそ隅々までアバドの意思が徹底して伝わっているのがわかります。 (「手兵か…俺も欲しいな」とつぶやくのは私、抜け毛に悩む中間管理職のブラームス課長補佐なのでした。) ブラームスのセレナーデは、第1番と第2番がありますが、 どちらかというと第1番のほうが朗らかで聴きやすく、第2番は控えめで渋いですね。 性格的には、「ぽぽぽぽーぽー♪」の大学祝典序曲に似ています。 微笑むブラームス。 でも、「あらあの人、今日は機嫌がいいみたいだわ…」という程度の微笑み。 モーツアルトの天衣無縫なディヴェルティメントに比べるとやはり音楽の運びは慎重だし、 渋いです。 第6楽章形式ですが、どの楽章もメロディックに歌います。 このCD、ジャケットが素敵です。 グスタフ・クリムトですね。 正確な絵のタイトルは知りませんが、たしか「ミューズ」とかそんな名前だったと思います。 併録のシューマンのチェロ協奏曲もいいです。 「シューマンのチェロ協奏曲?いい曲だけど、あんな暗い曲はあんまり聞きたくないわ」 なんて仰らずに、本当にいいんだから。 一言で言ってしまえば、垢抜けたシューマンです。 救いようのないどん底のイ短調だけど、 どこか明るい感じがするから不思議です。 明日は高松出張です。 大事なVIPを無事送り届けるのが仕事です。 無事すんだら、讃岐うどんで一杯やりたいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ヨハネス・ブラームスの音楽] カテゴリの最新記事
|