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テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:ベートーヴェン
そのような「七光り」が邪魔に感じられるほど 彼は純粋な一人の芸術家として大成したと思う。 この2枚組みCDでは、ベートーヴェンの最晩年のピアノ・ソナタ(世界で最も重要な音楽だ)が美しいフォルテピアノの音で聴ける。 「ハンマークラーヴィア」なんて、バックハウスやギレリスこそがベートーヴェンと信じていた、時代遅れの僕の耳をエステみたいにきれいさっぱり洗い落としてくれる清涼感あふれる演奏だ。 最後の3つの作品オーパス109、110、111も人跡未踏の森の湖のように透きとおっていて深く澄んでいるんだけれども、 僕が最も気に入ったのは、第28番のイ長調。オーパス101。 なんとシンプルで楽しい音楽! 僕はこの曲をマレイ・ぺライアでも知っているし、最近出たエレーヌ・グリモーでも楽しんだ。 でも、このピーター・ゼルキンの演奏ですべてが色あせてしまった。 ちなみに僕は、エレーヌ・グリモーの話題の『皇帝』に対してまだ評価を定めきれずにいる。 私見では、彼女のピアニズムはこの雄雄しいコンチェルトにはあまり向いていなかったのではないだろうか、とさえ心配している。 彼女のよさは「繊細さ」と「強さ」の同居にあると思うのだけど、今回はオケが十分に彼女を引き上げてくれていない気がする(ザンデルリンク・クラスを望むのは贅沢にすぎるだろうか?)。 そのせいか、併録の28番ソナタもいまひとつつかみどころがない印象である。 話題がそれてしまったけど、 このピーター・ゼルキンのベートーヴェン、聞かなければ人生の損です。 輸入盤ですが、値段も格安ですよ。 ところで、 今週末は福岡でコンサートです。 ティーレマン&ミュンヘン・フィルのブラームス交響曲第1番とRシュトラウス「ドンファン」「ティル」なのだ! その前に、片付けなければいけないシゴトが山積みなのですがね。 やれやれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年11月06日 23時29分01秒
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