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テーマ:ニュース(99967)
カテゴリ:ブラームスのひとりごと
そして今(そしてこれからもずっと)生きることに多くの困難を抱えている多くの人々のことを考えながら、 クレーメルのバッハを聞いています。 クレーメルのバッハを聞きながら、中国で起こった大災害について考えています。 けれども、僕にはどうすることもできません。 2万人を超える人の死を、 どのように受け止め、悲しんだらいいのか、 それすら僕にはわかりません。 万の人が死んでいる。 はるか遠くの異国の地で、いや、それほど遠くないところで、 たくさんの人が、 今もなお、真っ暗な闇の中で、 物理的な落下物の重みと、空腹と、喉の渇きと、汗の痒みと、瓦礫の埃と、薄く濁った空気と、ひどい死臭と、そして孤独の中で。 そんな酷い状況のなかで、死線のきわを彷徨っている。 救助を待つ者も、救助のために懸命に働く者たちも、 絶望に似た無力感を味わっているのではないだろうかと、想像する。 多くの死者(それは既に死体と言い換えるべきか)に囲まれて。 それなのに僕は何もできない。 僕はクレーメルのバッハを聴いている。 死者に捧げるでもなく、 死者を悼むでもなく。 僕にはそんな資格すらない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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