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今日は妻が職場旅行で一泊二日で出かけてしまいましたので,独り身の休日です。
で,僕の欲望を満たしてくれる場所へ一人で出かけました。 ふふふ。 その場所とは・・・ 「神保町古書店街」です。 決していやらしくないですよ。 僕の目的は本屋さんではありません。 中古CD屋さんです。 少しでも安いと,定価じゃ躊躇うものまで買ってしまえるんだなー,これが。 でも,いつも途中でATMでお金を下ろす羽目になりますが。 今日の収穫は, エマーソン四重奏団のショスタコーヴィチ弦楽四重奏全集 ベルリン・フィル・メンバーによる「グラン・パルティータ」 同じくブラームス弦楽6重奏曲 オッターのグリーグ「歌曲集」 ラトルのメシアン「彼方の閃光」 フルニエのバッハ無伴奏 ゲルギエフの幻想交響曲 などなど。 普段ならネット割引でもなかなか踏ん切りがつかないものでも, 中古・現品のみでこの機会を逃したら一生縁がないかもしれない! と思うとついつい手が伸びてしまい,気がついたらレジの前にいるのですよね。 で,今日僕が馴染みの中古屋さんで一期一会のCDを求めて「今日はよいモノは入っていないかな?」と独り物色していたときの話。 その店のご主人と,古株のお客さんなのか,大変親しそうに30代の男性(見るからに秋葉系)がレジで談笑してました。 店のご主人は無口ですが,とても親切な人です。 その客がしゃべることに,主人がいちいち頷いてくれているような会話でした。 それで。 その客が突然憤りを隠せないような口調で 「あれさぁ,やめて欲しいよな。客の流れが変わっちゃうよ,ってだれかも言ってたし。」 「やってる人たちは慈善事業のつもりかもしれないけど,結局「奴ら」の拠点になっちゃうわけでしょ。ハケンムラみたいに。」 ああ,僕も見たよ。神保町の並びでも炊き出しやってた。そのことか。それで? 「ああいう「乞食」がこの辺をうろうろされると迷惑なんだよね。秋葉にも増えたし。こっちの客の流れにも影響してくるんじゃないの?」 ほほう。で,極めつけが 「こないだ「乞食」が殺されちゃったじゃん。どっか忘れたけど。俺はそいつに言いたいね,『よかったね』って。ははは。生きてても意味ないじゃん。迷惑だよ。」 ご主人は聞き流していたようで,お客さん相手なのでそれについては特にコメントさていませんでしたが。 「乞食」・・・久しぶりに聞く言葉でした。 僕の田舎では,「ホイトさん」と読んでいました。 確かに僕の小さいころは,珍しかったです。「ホイトさん」。田舎でしたし。 「「ホイトさん」が来とらす!」 「「ホイトさん」があそこの寺におらす!」 と言って怖いもの見たさでみんなで覗きに行ったことを覚えています。 「乞食」って物乞いのことですよね。それこそ路上に茣蓙を敷いて缶詰の空き缶を置いて「施し」を受ける人ってイメージじゃないですか。 僕の田舎で言っていた「ホイトさん」というのは,少しばかり「畏れ」が入っていたニュアンスだったと記憶しています。常人でない,修行者のような。 少なくとも,「殺されて当然の人」という意識はありませんでしたよ。 今日の「秋葉系お客さん」は,一体どういうつもりてその言葉を放ったのか。 今の世の中には,堂々と本気でこんなことを言う人もいるのか?と耳を疑いました。 しかし,「乞食」とは。久々に聞く言葉でしたね。 同じ境遇の人でも,「ルンペン」というとちょっと西洋チックでお洒落っぽいし,日本語としてあまり根付いていません。 「ホームレス」はブルーテントでなんとか自活して生きている人たちのイメージです。 僕が少し危惧しているのは,最近では「ネット難民」や「派遣労働者」が同義語で使われているような気がすることです。 「派遣村」はおおいに結構ですが,「ハケン」というのは言葉として味噌も糞も一緒になってはいないか,ちょっと不安です。 神保町の炊き出しを食べていた人たちも,そういう雰囲気の人たちだけではなかったように見受けました(それはまた別の話ですが。)。 そのあたりは大丈夫なのでしょうか。 いずれにしても,仕事もなく,住む家すら持たない人がこれだけ増える社会というのは,「勝ち組負け組」や「格差社会」という言葉で表現される領域を超えてしまっているのではないでしょうか。 公務員である僕から見ても,「規制緩和」を旗印にした小泉改革は「大失政」であったと思います。 しかも,その後の国会の審議内容や今の閣僚の施策を見聞きする限りにおいて, また,今日の秋葉系お客さんの聞くに堪えない心ない発言を聞く限りにおいて, この国は,もはや大丈夫ではないかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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