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テーマ:好きなクラシック(2316)
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導入部のピッチカートは,落ち着いた大人の心拍数であり, 控えめだけどしっかりと自分の色を持った旋律は,成熟した色気を感じさせ, 均整のとれた全体の構成は,無骨な渋さがある。 茶器のように静かに完成された世界。 バルビローリの指揮は, エルガーへの愛情が,祖国愛から(臆面もなく)自己愛に耽溺しているとしても, ストレートにカッコイイ。 寂寥感。 もう二度と手に入らない, 失われた日々。 でも, それでいい。 それでいいのだ。 失ったものがあるからこそ, 今がある。 今の私がある。 この交響曲は, 静かに語りかけてくれる, わたしたちの人生の「かけがえのなさ」を。 そしてこの音楽は, そっと背中を押してくれる, わたしたちの「かけがえのない人生」を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年02月03日 22時01分45秒
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