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テーマ:好きなクラシック(2316)
カテゴリ:ヨハネス・ブラームスの音楽
選挙も終わりました。 「どっちもどっち」「目くそ鼻くそ」的な、 さみしい・さもしい戦いでしたが。 まあ、国民に雇われたコウムインたるわが身としては、 心中複雑なものがありますが、 とにもかくにも、 私たちは、国民の皆様のために―――与えられた職務を全うするだけであります。 今夜は、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番を聴きます。 シェーンベルク編曲によるオーケストラ版もよいですが、 僕はオリジナルの室内楽の響きが好きです。 原曲が持つ雄大な世界は、ピアノ四重奏という小さな枠に収まりきれてないのは事実ですが、 オーケストラ版では、大事なところが拡散してしまって、どうしてもイメージがぼやけるのです。 この曲には、楽器を鳴らす演奏者一人一人の、心を打つ一音一音が必要なのです。 しかし、この曲が持つ「憂鬱な美しさ」を「雄渾な力強さ」にまで引き上げた エミール・ギレリスとアマデウスSQの力量には感服します。 漲るパワーと豊かな表現力は、並の管弦楽団をはるかに凌駕しています。 この演奏に出会っていれば、シェーンベルクもオーケストラ版の作曲を思いとどまったかもしれません。 青春の後悔を引きずりながら彷徨う第1楽章、 夢遊病者のように揺れ動く第2楽章、 第3楽章は、それでもなんとかゆっくりと歩いて行こうとする。 しかし途中から一念発起して、優美かつシニカルな行進曲に転じ、 そのまま一気呵成に悲劇へと突き進む第4楽章が全曲を締めくくる。 これら4つの楽章を一瞬の隙もなく、 躍動する生き物のように筋肉質に纏め上げた4人の音楽家たちには、 本当に驚嘆する。 100頭の灰色の馬が集まっても、1頭の白馬にはならない。 凡人は100人集まっても、只の凡人の集まりに過ぎず、 君子は1人であっても、なお君子である。 民主党は衆議院で308議席取っても・・・? 不安ですね。正直。(いっそのこと、「衆愚院」に改名したらどうか?) 私は、この曲のように、この国の行く末を憂います。 ちなみに、併録のバラードも絶品。 グレン・グールドとはまた一味違ったリリシズムがあります。 このような「名盤」にたまにでも出会えてしまうから、 僕の「CD収集癖」は止められない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年08月31日 23時36分08秒
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