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テーマ:好きなクラシック(2316)
カテゴリ:ヨハネス・ブラームスの音楽
それは、第2交響曲第1楽章の終盤における、ホルン・ソロの扱い方だ。 彼の第2交響曲の表現は、リズムが軽やかで、それがとても心地よいのだが、 リズム重視のあまり、このホルン・ソロのフレーズを切りすぎで、 急かすように前のめりで、咳き込むように聞こえてしまう。 ここはやはり、牧歌のようにゆったりと、伸びやかで柔らかな音がほしい。 しかも、力の入らないごくごく自然な、必然性のある表現の中で。 その音を求めてCDの棚から取り出したのが、 標題のヴァントの旧盤。 大人の演奏である。 この全集は、宮城谷昌光が第3番を秀演と評したことで有名であるが、 他の3曲も極めて充実している。 くだんのホルン・ソロも、これ以上なく素晴らしい。 青空のもとで老いた羊飼いが吹くように、 まっすぐに正直で、哀愁が漂い、しかも熟練の技がある。 ブラームスの交響曲の中で、第2交響曲ほど奥深い表現が求められるものはないかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年10月31日 22時33分51秒
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