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2010年05月29日
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カテゴリ:バルトーク
 以前にも書いたかもしれないが、

 「コンチェルト・フォー・オーケストラ」

 という、なんとシンプルなタイトル。

 まるでバッハのよう。

 しかしながら、作曲者がベラ・バルトークとなると、

 そのタイトルの重みと意味が全く違って異なって聞こえるから、

 不思議だ。

 バルトークは、とても男くさい作曲家である。

 彼の男性性的なるものが、

 鋼のように錬えられており、

 蒸留酒のように人を酔わせる。

 凝縮された音楽。

 力強さ、虚栄心、残酷さ、執着心。

 ユーモア、諧謔、皮肉、いやらしさ。

 愛情、繊細さ、傷付きやすさ。

 悲哀。

 そして、性的なものと、民俗性。

 ベートーヴェンも確かに男くさいが、

 バルトークのそれは、まったく違うのである。

 江戸っ子と九州男児以上の開きがある。

 さて、標題の「管弦楽のための協奏曲」。

 全五楽章の大曲であり、

 序章、対の遊び、エレジー、中断された間奏曲、フィナーレ。

 すべての楽章が完璧で、異常に純度が高く、そして、「男くさい」。

 演奏は、カラヤンも優れて緊張感があるが、

 アンサンブルの精度によりバルトークの深層を掘り下げた

 ジョージ・セルに首席の座を渡そう。

 併録のヤナーチェク「シンフォニエッタ」は、

 言わずと知れた青豆さんの愛聴盤。

 『1Q84』のお陰で、随分この盤も売れたはず。

 「シンフォニエッタ」だけでなく、

 購買者の方には、是非この「管弦楽のための協奏曲」も聴いてほしい。

 『1Q84』BOOK3、僕も楽しみませていただきましたが、

 村上春樹のこの作品について述べるのは、もっと後にしたいと思います。

 だって僕は、今のところ『ノルウェイの森』についても、

 『羊をめぐる冒険』についても、述べる資格を持っていないのですから。

 

 





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Last updated  2010年05月30日 00時25分34秒
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