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むかし、「評決」というタイトルの映画があった。
主演はポール・ニューマンで、アル中の枯れた弁護士が義侠心をふり起こし、悪徳病院を相手取って一発逆転の勝訴劇を演じる訴訟映画だ。 僕はそれを見て、(たしか高校1年か2年かそんなところ) ポール・ニューマンの演技の渋さに惹かれながら、 訴訟というのは面白い世界だな、と思った(そう記憶している)。 その映画を見たことがすべてではないが、たぶんそれが一つのきっかけで(そのあとしばらく何本か訴訟映画をあさって見ていた。)、 法学部に入ることになるのだが、 日本の法曹界の狭き門の現実を知るや(当時は法科大学院もなかった)、 早々に司法試験受験を諦めて(そんなに高尚な志もなく) 落第生となり、なんとか卒業して、なんとか公務員になって、 今に至るわけだけれども、 今年から、「国の指定代理人」という立場で法廷に出るような仕事をしている。 法曹資格もないのに、裁判官や弁護士などに混じって訴訟の端くれをナリワイとしているわけだ。 不思議なもんだなと思う。 まあだいたい、法務局の部付検事がいて、彼らの下に付いて指揮を受けながら、行政庁としての応訴に必要な事実関係と法律解釈を積み立てていく地味な仕事なわけだけけれども。 訴訟をやるということについて。 それは特に「夢」というわけでもなかったはずなのだけれども、 (それを「夢」というには、あまりにもあっけなく捨ててしまったものであり・・・) しかしながら・それでも・何か・「縁」があるような気がして、 絶対的な法律知識の不足に四苦八苦しながらも(学生時代勉強してなかったからなあ。)、 心の片隅でどこか楽しむような思いを感じながら、 いまの仕事をさせてもらっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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