ロンドン・オリンピックだからという訳ではないけれど・・・
ロンドン・オリンピックだからというわけではないけれど、 今回は エルガー 交響曲第1番 です。 珍しいことですが、 このジャケット写真は、音楽と演奏の雰囲気をとてもよく表現しています。 ゆったりと幅広く歌われる、哀愁漂う序章は、とってもノーブル(高貴)な音楽です。 (またそれが、「コケイン」序曲の喧噪あとに静かに始まるのがよい。) その点、バルビローリは、心得ています。 挙措動作が美しく、自然で、堂々としていて、しかも温かい。 第2交響曲も有名ですが、個人的には、第1番の寂寥感とスケールの雄大さが好きです。 栄光をたたえて、ゆっくりと落日は沈む。 かつての大英帝国の栄華を偲ぶような、そんな音楽。 まさに、 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」 の世界です。 ロンドン・オリンピック、勝敗はあまり興味はないけれど、 鍛え抜かれたアスリートたちの肉体の躍動は、 純粋に美しいですね。 たぶんそれこそが、 そもそものオリンピックの目的であり、 最大の楽しみのはずではなかったのではないでしょうか。