怪談レストラン 2
子どもの読書を考えるとき、どうしても外せないのはファンタジーや民話・伝説・神話です。心の形を創り、世を見る目の元になるお話。子どもには親の声で語られるのが一番なんですが、どうしてもそれが最近はメディア任せになってしまうのは否めません。 赤ちゃんの初めての言葉が最近は「パパ」や「ママ」ではなく「アンパンマン」なのはその結果で決して笑い事ではないんです。そんな中でこのシリーズが健闘しているのは凄い事だと思うのです。現代の民話(都市伝説・怪談限定ですが)を採話したものをまとめたものにこどもたちがここまで食い付くという事が、また凄い。一見クイズや遊びの本と思うようなカバーの中身は死後の世界を僅かに覗いて現世に帰る「ゆきてかえりし物語」になっていて、問題提議にもなっている二重構造。人の心の原型がほのかに見えて来ます。