ひさしぶり。
みなさま、お久しぶりです。 携帯のネット機能を訳あって外しました。 電話機能だけ使うようになって気づいたのは、携帯と通常の電話って全く別物!という事。 改めてアナログな面白さを発見できました。 そして・・・荷物が重くなりました。 実は通勤の友に文庫本4~5冊もって移動しています。 そんな中でお気に入りができました。 有川浩さんの本。 実は著者はほぼ同世代。 『図書館戦争』で引っかかって読み始め、『フリーター家を買う』『三匹のおっさん』と読んできて、鬼門だと思ってた『クジラの彼』まで読んでしまった。 なぜその本が自分にとって鬼門だったのか。 『自衛隊』その一言に尽きます。 正直に言えば、軍事もの・軍記ものが苦手です。 自慢じゃないけれど、かの『銀河英雄伝説』は戦略的なところではなくて戦い以外の部分で読み通しました。その当時10代でしたが、ラブロマンスと戦場以外の日常の描写で、艦隊戦のシーンはナナメ読み。 が、有川さんの本は・・・ 組織で働く人の、人間模様で話が作られていきます。 働いている場所がたまたま戦場だった、という感じなんです。 『図書館戦争』は表現を守る図書隊という組織を舞台にしています。 図書館の中で働いたことがある身としては「え!?」という感じなんですけれども、中の派閥やその組織の延長線上に戦争を持ってきた。そして表現の自由を守るための組織として図書館を選んだ。そのセンスがすばらしいなぁと。 『クジラの彼』は、自衛隊員の彼や夫、また自身も自衛隊員の女性が主人公のロマコメ短編集。その前に『空の中』『海の底』『塩の街』という自衛隊三部作と呼ばれるシリーズがありそのスピンアウト。笑いあり涙あり、でもしゃっきりと背筋の伸びた誠実な恋。仕事する事の楽しさや辛さも織り込まれてて、読むと心がほぐれていく気がします。まだ自衛隊三部作の方は未読だったりしますが、近いうちに図書館で借りてくるようにします。 自分の感覚の中で近い作品をあげると、ゆうきまさみさんの『機動警察パトレイバー』や荒川弘さんの『銀の匙』。働くことのしんどさやたのしさ、その中で生まれる愛情。そういったまっとうな感覚を持って読める本です。