母ならきっと
こう言うだろう。そんなにお金かけなくていいのにって。仏事に疎い私、葬儀にはこんなにかかるんだと改めて驚き。わずかな年金暮らしで、付き合いもほぼない人でも、それなりな形にしようと思えば七桁超え。脳出血で救急搬送され、緊急手術。手術前から宣告されていた通り、その後八ヶ月は、意識が戻るのも数秒でほぼ寝たきりで、麻痺と話すこともできず自身の状態を理解できているのかさえわからないまま。母が先月他界しました。医療院でコロナ感染したり、発熱が続いても理由が分からないとかで、結局肺炎が直接の死因でした。倒れたときから覚悟をしていたので、知らせを聞いたときも早かったな、としか思えなかった。四十九日を終えて、ようやく痛みから解放されて楽になったね、と思えるように。急に腰の痛みが増して背中が丸くなっていたし、片足が冷たくて仕方ないと話していたので、主治医にちゃんと話さないとダメだと言っていたのに。もう血管はボロボロだったし肺も悪かったので限界だったのかもしれない。それでも、ボケて迷惑かけるのは絶対嫌だって、毎日買い物に出かけていたよね。最後までボケなかったね。強い人だったね。そして優しい人だったね。孝行らしいことは何もできなかったけれど、こうして送ることができてよかったと思う。親より先に逝くのは一番の親不孝だっていうものね。次は私が行くことになると思うけれど、ジュンちゃんを送ってからでないと行けないからね。そちらではお父さんと仲良くしていてください。生んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。貴女がいつか言った、私のかわいい娘が、って言葉、なんだかいつまでも胸に刺さっています。愛をありがとう。