サクラマスが河口で釣れる一つの理由。
サクラマスの母川回帰能力が非常に高いことは良く知られていることですが、私達、釣り人にとっては母川に帰って来ることより、どこで釣れるかが知りたいところですよね。今回、良い論文があったので参考にさせていただきました。私が釣った67センチの某ダービー優勝魚のサクラマスです♪サクラマスが河口で釣れる一つの理由。サクラマスは遡上しないのに河口近くを狙って回遊する。まず、初めに今回参考にさせていただいた資料はこちらになります。引用文献サケの感覚機能と母川回帰上田宏サケ科魚類の母川回帰帰港:視覚と嗅覚の役割上田宏 帰山雅秀 栗原堅三 山内晧平免疫の無い人にとっては、結構難しいこと書いてますので、私なりにわかりやすい一文を抜いています。研究者本人が本当に伝えたい部分とは若干ことなる部分があるかもしれませんがご了承下さいませ。サクラマスが河口近くで釣れる理由。そんなの、母川に帰ってるからだよ。と、言われるとそれで終わってしまいますし、3月ぐらいに釣れる理由にするには少し説得力に欠けますよね。その辺、私なりの想像の部分もありますが、論文を元に調べてみました。まず、この方達はサケやサクラマスの母川回帰について調べています。この論文では洞爺湖のような閉鎖的な場所で、母川回帰行動を調べる上で、感覚機能を阻害してサクラマスの調査をしています。ワセリンを鼻腔に挿入して嗅覚を感じさせない、網膜剥離をして視力を奪う、強力な磁石を頭部につけて磁気感覚を阻害するなどです。その中でこんな文を見つけました。サクラマスは沿岸沿いに河川を識別しながら回遊し、ワセリンを鼻腔に挿入されると沿岸から離れ、網膜剥離により視覚を阻害されると迷走することが明らかになった。引用:サケの感覚機能と母川回帰その図がこちら、Ⅰはヒメマスなので下のⅡの図、サクラマスを見て下さい。引用:サケの感覚機能と母川回帰カラーの図ではないので少し見ずらいらいですが、BとCの行動パターンを見ると、確かに視覚を奪われたサクラマスは迷走し、嗅覚を奪われたサクラマスは沿岸を離れてしまっています。そして、こうまとめています。分布域が狭い原始的なサクラマスは視覚と嗅覚を用いて沿岸を回遊していると母川にたどり着く可能性がある。引用:サケの感覚機能と母川回帰基本的にサクラマスは視覚と嗅覚から川を判断している可能性があるようです。そして、沿岸を回遊していると母川にたどり着く可能性ががあるとのこと。また、ヒメマスとサクラマスはある程度河口に近づかなければ湖水と河川水を認識できないことがわかった引用:サケの感覚機能と母川回帰とも記載されています。サクラマスは河川水中のニオイ成分アミノ酸で識別している可能性がある、さらに、そのニオイ成分は河口にある程度近づかなければわからいようです。サクラマスは岸沿いを行動し、流入河川があると必ず立ち止まる。違う論文ではこんなことが書いてあります。一方,洞爺湖臨湖実験所から8㎞ と3㎞ 離れた湖岸に放流されたサクラマスは,岸沿いに行動し,流入河川があると必ず止まって,また動きだし,前者は実験所から200m,後者は1.5km離れた河川の河口で回帰行動を中止した。また,実験所から5km離れた湖の中央に放流されたサクラマスは,実験所と反対方向の湖岸に向かって移動し,岸沿いに行動した。引用:サケ科魚類の母川回帰帰港:視覚と嗅覚の役割サクラマスはヒメマスのような方向定位機能は用いず,湖岸を行動し嗅覚を用いて河川を識別して母川回帰すると考えられた。引用:サケ科魚類の母川回帰帰港:視覚と嗅覚の役割やはりサクラマスは母川回帰しようとすると、淡水(川)を感じ取るために、ある程度岸際まで来なければならない性格があると言うことだと思います。まとめ色々書きましたが簡単に言うと、岸際を泳いで川の近くまで行って、ニオイ感知しては必ず立ち止まり、他のエリアに移って生まれ育った川に向かうってことの繰り返しですね。そんなことをしている時に釣れているのかと思います。このデータは閉鎖された淡水の湖での調査データですで、海サクラマスにおいてはどこまで共通の部分があるかは不明です。サクラマスは知れば知るほど面白い魚ですね。大好きなポイントに釣りに行って思う存分ルアー投げるのも楽しいですが、少し判断材料があるとポイント選びの選択肢が広がるかもしれません。それではみなさん、色々妄想しながら釣りをお楽しみ下さい♪ヨイネ!と思ったらポチっと応援お願いします♪最新のサクラマス情報北海道の釣り情報はこちらからご覧ください!↓↓↓