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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/05/17
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カテゴリ:アンタルヤの四季


今年も桑の実の季節がやってきた。
パザールにはもう何週間も前から、大切にパック詰めされた桑の実が出回り始めていたが、初夏らしい燦々とした太陽の下で、ここにきて一気に旬を迎えたようだ。
今日の木曜パザールでは、白桑と並んで黒桑も豊富に、そしてタス(金だらい)に入れられて量り売りされるほどになっていた。タスの底には、黒桑から滲み出した濃い紫色の果汁が溜まっている。
ああ、旬なのだなあ~としみじみ眺める。


昨年の5月、カレイチの地所にある1本の雌の桑の木を眺めては、これをどうすべきか悩んでいた私。
桑の木のすぐ脇には、トラベルテン(トラバーチン)を敷き詰めたテラスがあり、毎日根気よく掃いて水で洗い流したとしても、桑の実の残す汚れはトラベルテンの細かい穴の中に入って染みとなり容易には落ちないであろう。

心配する私に、周囲の人間は様々なアドバイスをしてくれた。
「やれ根っこから切ってしまえ。この木はザラル(害)以外の何ものでもない」
「やれ、雄の木を接木すればいいじゃないか」
「どうしても桑の木がないといけないのなら、切ってしまって、もういちど雄の木を植えてもいいんだよ。すぐに育つから」

しかし私は、どうしても根っこから切ってしまうような気持ちにはなれなかった。
接木も、定着するまで何年もかかるのではないだろうか?
悩んでいたある日、我が家の前を農業技術者だという人が通りかかったという。私の逡巡を知るエルカンと夫がその人に相談してくれたところ、枝だけを切れば、葉っぱはすぐに茂っても、実は少なくとも2~3年は結ばない、と教えてくれたそうだ。
ようやく解決法が見つかって安堵した私は、心を決め、エルカンに頼んで枝を切り落としてもらうことにした。冬のうちに枝を切り落としておくのは、ごく普通の処置ではあるが、ほとんどの枝を切り落とされた裸の桑の木は、さすがに寒々しく痛々しく見えたものだった。

しかし今では、ノコギリの痕も鮮やかに裸そのものだった我が家の桑の木に、艶々とした若葉がいくつも開いている。これから夏に向かって、もっともっと葉を茂らせ、枝を伸ばすことだろう。
否応なく、植物の生命力に感心させられる。

一方、地所のすぐ隣にあるケスィッキ・ミナーレの裏庭では、白1本、黒3本。計4本の桑の木が見事な枝を広げ、毎日少しずつ実が熟しているところである。
管理者の逗留していない、常に放置された状態のケスィッキ・ミナーレの庭は、木々と名も知らぬ野の花々と雑草の楽園なのだった。

私のこのところの日課は、壊れた柵の隙間から中に入り、桑の実をもいで熟し度合いを確かめること。
日陰になっていることが多く、他所の桑の木に比べると随分と晩熟で、黒い方はまだようやく紫色になりかけているところ。白い方がやや早熟で、大きく膨らんだ実をつまんで口に入れると、ほのかな甘みが口に広がる。
桑の木の明るい緑の木陰が、とても心地よい。

ここの桑の木たちを、まるで我が家の桑の木のように愛でている、今日この頃なのである。



桑の木陰

熟しつつある白桑の実

白桑の実
白桑の実。完熟は、もう少し先かな。
(やけに厚ぼったい手の平が恥ずかしい。。。)












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最終更新日  2006/05/19 06:54:03 AM
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