高橋哲哉さん著『靖国問題』、読んでる途中ですが
もう今日は日付が変わって8月1日です。8月というと、自然に戦争のことを考えてしまいます。自分の誕生日が8月ということもあったりします。 『靖国問題』はとてもわかりやすく、いろんな角度からその問題点を解き明かしてくれていると思います。 本書からわかるのは、靖国参拝は政治の問題であるということ。そんなことわかりきっている、といわれそうですが、表向きは政治ではない、ということになっていると思います。伝統の問題であったり、文化の問題であるから、他国がとやかくいうべきではない、というふうに。事実、小泉首相は自国の死者を悼むのに他国が干渉すべきでない、と言っています。 しかし、靖国の役割は死者を悼むことではなく、戦死者を英霊として祀り、それを顕彰することだと高橋さんは言います。戦死者の妻や子の悲しみを、英霊として祀られることに対する喜びに変える施設なのである、と。この役割を少し考えてみるだけで、戦争に駆り立てられていった人々の無念さがいくらか感じられるような気がします。 国家のために命を差し出すことは、最大の栄誉であり、喜びである、と上からおしつけられ、戦争に行き、罪のない他国の人々を殺すことさえ躊躇なくやらなくてはならない、そしてそれで命を失っても本望である、靖国に祀ってもらえさえしたら・・という気持ちにかりたてられる、ということはおおいにあったと思います。その侵略戦争の推進役として靖国が多大な貢献を果たしたということ、これは疑うべくもありません。だから、靖国神社においては、過去の戦争は正しかった、ということになっているということです。 そんな靖国へ参拝することには、とても戦争への反省は感じることはできません。口先で平和と言っていても、本気で戦争をなくさなければいけない、という熱意が伝わってこないのです。戦争はしてはいけない、と思っている方、そうでない方も 是非大勢の方にこの本を読んでいただきたいな、と思いました。