枠単を侮るなかれ
「競輪の基本は2車単だ」と、豪語する人もいれば、「今の時代、3連単以外を買うのは野暮」と、3連単の魅力にすっかり取り憑かれてしまった人もいます。しかし、元々は枠単(前半レースは枠複)しか無かったわけですし、たまには原点に返ってみると、新しい発見があるかもしれません。先日のいわき平記念2日目11Rでこんな事がありました。6飯野裕太-7山崎芳仁-1佐藤慎太郎-3榊枝輝文9荒井崇博-4合志正臣(-)2神山雄一郎-8木村貴宏-5小橋正義記念の2日目優秀は、6着以内に入れば準決A。7、8着なら準決B。9着なら準決Cになります。別に9着でも、1着権利とは言えメンバーの軽い準決Cなので、なるべくなら9着にならない程度、くらいにしか考えていません。(メンバーによっては、わざと準決Cを狙う選手も中にはいますが・・・)選手は着を度外視して、今後のことを考えながら走るケースも多く、競りや落車失格に繋がるような走りはなるべく避ける傾向があります。このレースは地元福島が4人揃って、飯野の捨て身先行が濃厚で、目標の無い神山は「福島には競りづらい」と、荒井の3番手を選択。2車単一番人気は、山崎番手発進でそのままの7-1が250円で圧倒的人気。3連単も、福島上位独占の7-1-3が660円でした。別線の荒井ラインからは、荒井⇔合志で20倍前後と中穴人気。荒井が意地で先行した時のズブズブ、合志⇔神山で18倍強でした。荒井と言えば、北日本には因縁があるし、中団で何もしなければ北日本の思う壺になってしまうので、荒井次第では、このレースはすんなり決まらないような気がしていました。レースは飯野が押さえ先行に上がると、荒井はインで飛び付き策に出ました。カマシ先行だと、ダッシュ鋭い飯野に大ギアの山崎は離れてしまうので、(山崎はこの日はギアを下げずに4.00のままだった)押さえ先行は致仕方の無いところだったとは思いますが、飯野が車を下げて、山崎が早くも番手発進で猛烈な先行争いになりました。これは荒井がインで粘った時に備えての二段作戦だったような気がします。両者の踏み合いは最後まで続き、番手回りの慎太郎と合志もバテバテ状態。そこを神山が往年の捲り狼と化し、前段を一気に捲り追い込む。ゴール前で平成の鬼脚こと小橋が、3番手から全盛期を髣髴とさせる差し脚。2車単5-2は22820円。3連単は3着が山崎で20万越の大荒れでした。長々と書いてしまいましたが、やっと本題に入ります。もうお気付きの方もいるとは思いますが、枠単4-2と2車単4(合志)-2(神山)のオッズを見比べて下さい。枠単4-2は1930円でしたが、2車単4-2は1880円!?合志-神山は買えなくもない車券ですが、小橋-神山は相当難しい車券です。今では死語になりつつある「代用」ってやつでしたが、代用のつもりが、2車単よりも良い配当になってしまいました。2車単で4-2を買っていた人にとっては、これほどバカバカしい事は無かったのではないでしょうか?俺的には、こういう車券を仕留めた時は、万車券を獲るより嬉しいかもしれません。投票数がそれなりに入っている記念でも、時たまこんな現象があるので、2車単と3連単以外のオッズもじっくりと見といて損は無いと思います。