Ｔiｅｒ’ｓ　Ｂｅｎｃｈ

　僕が常々子供たちや生徒に言っていることと同じことが書かれていました。

　姜氏の語り口は穏やかで説得力があります。その語り口は五木寛之に似ています。

　最終章の結びからの抜粋です。

　「他者に関心を持たないで自分の幸せを社会や世界と切り離して考えること自体が

　じつはものすごく非現実的です。世界と切り離された幸せなんてディズニーランド

　のようなものです。一歩外に出れば否応なしに現実が待っています。

　　結局、幸福のリアリズムとは世界の物事に関心を持ち、それと自分がどうつながっ

　ているのかを知ることにあると思う。そう考えると、自ずから他者との交わりという

　ものが広がるし広がらざるを得ないと思うのです。

　　その広がりの中から、きっと幸せの方法を見つけ出すことができるのではないで

　しょうか。」