Ｔiｅｒ’ｓ　Ｂｅｎｃｈ

　叔父が亡くなった翌日にジョンが危篤という知らせを受け、慌てて

面会に行きました。生気無く横たわっているジョンが僕が駆けつける

足音を聞いて起き上がったそうです。

　その日は長男が泊まっていってくれるというので母の世話がある僕

は家に帰りました。

　翌日、午前中に添削を終え、娘に頼まれた流動食や大型犬用紙おむ

つなどを買ってジョンに会いに行きました。朝、孫の離乳食に牛乳を

まぜたものを食べさせようとしましたがあまり食べたくないようだっ

たと娘が言います。僕が娘たちに買っていったパンの袋を開けるとジョ

ンが身体を起こして反応したので試しにパンを小さくちぎって口に運ぶ

とぱくぱくとよく食べます。食パン一枚と好物の十勝のバターパンを1本

食べました。

　お医者さんには水も食べ物も吐いてしまうからあげないよう言われて

いましたが水もあげたら飲むので飲みたいだけあげました。すると、ど

うでしょう、しばらくするとジョンはいつもの定位置、食卓テーブルの

下へ自分で歩いていくではありませんか。

　もしかしたらジョンは持ち直すかもしれないとみんなが思ったのでした。