Ｔiｅｒ’ｓ　Ｂｅｎｃｈ

個別指導塾の終焉

　2017年、8年間介護した母を看取って僕の介護生活は終わった。
　そして、2020年7月に脳梗塞で倒れるまで、僕は自分の事など考える余裕も無く、
超多忙な日々を送っていた。
　
　当時、僕は某都内完全個別指導塾のトップ英語講師だった。月曜日から土曜日まで
毎日、1日およそ10時間、受験生を指導した。合格実績もトップだった。最難関大学
に何人も合格させていた。
　
　脳梗塞で倒れても入院してリハビリ後、3週間で仕事に復帰した。多少構音障害が
残ったものの他に大した後遺症は認められなかった。多くの受験生を指導途中だった
ので早く仕事に戻らなければならなかったからだ。
　結果は、難関国立大、医大薬学部など合格実績はトップクラスだった。
　
　2021年も東大志望が2名、京大志望が1名、最難関大志望が3名とその他が5名で10
人ほどを指導していた。2022年2月受験生の指導が終わった。
　結果は、最難関国立はダメだったが、最難関が2名とGMARCHが1名という結果だ
った。
　
　3月は新しく担当する生徒さんが決まる月だ。今年は5名ほどとやけに少ない。その
内増えるだろうと思ってたら、ほとんど増えずに8月になってしまった。
　今や、担当する生徒の数は5名。１ヶ月の指導コマ数は20コマほどだ。全盛期の7分
の1程だ。
　個別指導塾で指導し始めて7年になるがこんなに生徒が少ないのは初めての経験だ。
　
　教務に聞いてみると、英語を受講する生徒さんが少ないと。
　そうは言っても、勿論英語を受講する生徒さんがいないわけじゃ無い。
　それでは、なぜ、合格実績が多い僕に生徒さんを担当させないで、実績の無い学生
講師に担当させるのか。
　リスニングが指導できる講師は僕しかいないのに、どうしてなのか。
　学生講師なら塾側から支払われる指導料がプロ講師の半分で済むからなのか。
　もしそうだとしたら、そこまで経営が難しくなっている、ということなのか？
　確かに生徒数は減っている。この不景気に、授業料が高過ぎるのだ。
　高校3年生の受験指導だと1コマ、1時間半の授業で12000円も掛かるのだから。
　1時間8000円だ。しかも、合格実績の乏しい大学生に指導させてるのだ。
　それでは、生徒が減っても仕方ない。
　
　勿論、自分でもオンラインの個別指導塾を始めた。
    オンラインなら授業料がおよそ半分で済む。

　授業中、ネットが利用できるので、指導は効果的だ。