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「ぎぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ・・・・・・・」 しゃがれた声のような、古い痛んだ扉を開けるような そんな音が聞こえた・・・・・ これは僕が小学4年生の時の話 当時通っていた小学校は1学年に2クラスの小さな学校だった。 グラウンドがとても小さく、昼休みともなると子供達で溢れかえり いつも遊ぶ場所の取り合いをした。 教室の窓から見える景色は間違っても良いとは言えない代物だった。 学校の周りは道路に囲まれており、 その周りには廃屋のような家々が立ち並んでいた。 授業中、時折聞こえるトラックのクラックションの音がとても耳障りで 幾度となく僕の勉強に対する意欲を奪った。 そんな中、教室から見える花壇には、季節に応じたキレイな花が咲いていて それ等を何も考えずにボーっと眺めることで多少気分が落ち着いた。 僕が住んでいたのは小学校から歩いて約10分くらいの距離にある社宅で、 そこにはたくさんの友達が住んでいた。 毎朝、その友達等と集団登校で学校に通った。 登校中、それはそれはうるさかった。 毎回ゲームの話で盛り上がり、 道端に落ちている糞に一喜一憂し、 犬や猫なんかを見つけようものなら誰もが競って追いかけた。 そんなアホな友達の中、 この社宅に越してきて以来の友達で 2つ年上の「つんこー」っていうあだ名の男の子がいた。 「つんこー」はまさにくそガキの王道をいく人物で、 いじめられっ子に糞を投げつけて そいつのあだ名を「うんこ」と命名した張本人。 とにかくうんこネタとちんこネタをこよなく愛するくそガキ中のくそガキ。 そんな「つんこー」なんだけど、 ある場所の近くになると急に無口になり、歩く足を速める。 その場所とは小学校の角にある横断歩道のことだ。 そこにはいつも赤くさびたカンカンに小さな花が置いてあった。 いつか僕は「つんこー」にこの場所のことを聞いたことがある。 tyg「学校の角にいつも花が置いてあるけど、アレなんだか知ってる?」 つんこー「・・・・・んーと、昔俺の同級生に池田(仮名)って奴が いたんだけどさ・・・・・・そいつがそこで交通事故にあったんだよ」 t「池田君ってどういう人だったの?」 つ「顔が細長くてな、目が細くて、ひょろっとしててあとは・・・・・・」 t「あとは何?」 つ「俺がキンタマ握ると毎回、しぃぎゃぴーって叫んでたww」 t「なんだよ、ソレwwwwwwwwww」 つ「とにかくさ、うん・・・・・まぁ、もういいだろ、 そんなことよりさ、くにおくん(当時人気のゲーム)しようぜ」 t「あ、うん」 ここからは後になって聞いた話だが、ちょうど当時の4年程前、 彼(池田君)は下校途中にスピードをかなりオーバーした車に 跳ねられてその場で即死したそうだ。 「つんこー」とはかなり仲が良かったらしくて、 教室でも、社宅でも、道路でも、 毎日彼ら二人の笑い声?が響き渡っていたという。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.07 21:46:40
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