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2010年06月11日
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カテゴリ:つれづれ
私が高校1年生だった時の話です。


中学からの同級生だったTから、私のクラスメイトだった男子の事を聞きました。

『アイツはお前の事、うるさいって言ってたぞ!』

今、思えば、悪意のない単なる噂話だったのだと思います。


でも!!


中学3年の冬、母が失踪して、死体で見つかった事から、

中学の同級生や、近所の人々から、

私の家庭は、散々悪い噂を立てられていたであろう事で、

神経をピリピリさせながら、

それでも無理に明るく振舞っていた私には、

愕然とするほどショックでした。


Tは、まるで私を庇ってくれているかのように言葉巧みに言いました。

『俺が話をつけてやる。』

と。

私は、その言葉に、まんまと騙されてしまったのでした。


調子付いたTの話は、段々エスカレートしていきました。


次第に、皆が自分の事を悪く言っているような気がして、毎日が苦痛でした。

Tは、その都度、慰めるのでした。

藁にもすがるような思いで、Tだけを信じていた私でした。


保健室の先生から、

『T君が嘘を言っているとは思わないの?』

と忠告された時には、既に真実が見えなくなっていました。


ずっと、Tだけは自分の味方だと信じていた愚かな私でした。




そして、何年も経って・・・

偶然の再会。


Tは、ふとした事から言いました。

『皆が私の事を悪く言ってるってか。アハハ・・・』


いきなり頭をハンマーで殴られたかのようでした。

その笑い声は、悪魔が嘲笑ってるかのように、私の耳に響きました。


ようやく解ったのです。

何故、気づかなかったのでしょう。


『アイツがお前の事を悪く言ってる。だから庇ってやった。』

その言葉、信じられますか?


私なら、そんな事、本人に伝えません。

自分がその人の事をそう思ってないなら、尚更。

もし、そういう所があると思ったら、他人の言葉ではなく、自分の言葉で伝えるでしょう。

『アイツが・・・』

ではなく、

『私がここを直して欲しいの。』

と。


何年も経って、今頃、気付いた愚かな私。


Tは、無責任な卑怯なだけの人間だと。









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最終更新日  2013年07月13日 16時29分58秒
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