ちょっといい女

私がまだ子供だった頃、実父から何度か聞かされた話・・・

『猫を殺してやったんや！』

『・・・・・。』


飼い猫が悪戯したのか、野良猫が入ってきたのか、

詳しくは解りませんが、

猫を殺した事を繰り返し自慢げに語る実父は、

悪魔にしか見えませんでした。

犬も殺したとか・・・


実父には動物霊でも憑いているのかも知れません。


実父の食べ物の好き嫌いは激しく、

酢の入った物がお膳に並んでいるだけで、罵声を浴びせるほど。

漬物が並んでいる日には、お膳を引っくり返す位の勢い。

だから、酢の入ったケチャップ、マヨネーズ等も一切駄目なので、

私と実姉にとって、

オムライスやポテトサラダは滅多に食べられないご馳走だったし、

お弁当に梅干が入る事はありませんでした。


動物霊は酢が嫌い？

漬物は嫌い？



実姉の神経系の病気も、

実父への恐怖とストレスからだったのではないかとも思います。

実姉は人より耐性が低く、耐えられなかったのだと。


実母に暴力を振るい続けた実父を非難したために、

実父から直接、暴力を受けていた私と比べ、

実父に当たり障り無く、従順でいた実姉は、

実父から暴力を受ける事は無かったけれど。



もし動物霊が許したとしても、

かろうじて生き残った私は、

実父を一生、許す事はないでしょう。