ちょっといい女

『アンタのお母さんも、アンタのお姉さんも死んだけど、アンタはどう？』

と、かつて私に言っていた継母が癌で死んだ。



死ぬ前、危篤のときに義弟から電話があり、

仕方なく見舞いに行ってやった。

継母は謝っていたので、その場は返事をした・・・



葬儀にも出るつもりはなかったが、義弟から電話があり、

仕方なく出てやった。


通夜には、生前の生き方を顕しているかのように列席者がなく、

昔もらった香典の分を返しに来ただけの継母の親戚は即、帰り、

毒父と、継母の息子たち夫婦と、私たち夫婦だけ。


葬式では、他に列席者が居ず、

（目立つ・・・）


そんな中、

お骨を拾うのをが当然のように毒父は、私に強要した。

葬儀中なので、毒父が暴力をふるうことはなかったが、

『オイ！！』

という声は、かつて暴力でねじ伏せていた時と同じ声、

手の振り方は、そのまま殴りかかりそうだった。

平和主義の夫は、その場をやり過ごす為にしたが、私は

断じてしなかった。

勘違いも甚だしいと思ったから。



後日、毒父が遺産放棄して欲しくて書類を持ってきた。

私に名前を書くように言った欄には、

[長女]と書かれていた。

『ここに誰の名前を書くつもりか知らないけど、

　私は次女だし、死んだ人からの続柄は養女になるから、

　別の欄に書いておいたわ。』

と馬鹿父に渡した。


それでも、すぐに書いて渡したのは、

さっさと終わらせたかったから、

これ以上、関りたくなかったから。



今、実家には、継母の遺影が飾られているが、

実母の遺影はない。

馬鹿父のしたことだ・・・



ところで、タイトルの【死神】とは、もちろん毒親の事。

継母は、私を死に追いやろうとして失敗した出来の悪い【死神】、

毒父は、実母、実姉を死に追いやった本物の【死神】、

勢い余って継母も死に追いやったか。


私は、これからもまた【死神】とは距離を置くとしよう。


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