マイノリティ・リポート
「テレビ持ってないの?」「クルマ持ってないの? でも免許は持ってるんだよね」「食べても全然太らないんだね。燃費が悪いんじゃない」などと、よく言われる。なぜそんなことで笑いものにされるのかというと、それが「普通と違う」からだ。「普通」というのは、つまり大多数がそうである状態のことで、大多数の人がテレビやクルマを持っていて、食べれば太るから、そうじゃないというただそれだけの理由でネタにされるのである。しかし、「普通」つまり大多数がイコール「正しい」「そうあるべき」とは限らない。テレビやクルマを持っていなくても、別に誰かに迷惑をかけているわけではないし(テレビは信用できないし、クルマは過度の贅沢だと思う、好みの問題)、食べても太らないのは生まれつきで、痩せたくて痩せているわけではない(背の低い人や胸の小さい人がコンプレックスを抱いているのと同じ)。他人の悪口を言うのは、いいことではないけど、社会で生活している以上仕方のない部分もあるし、自分自身よく他人の悪口は言うけれど、「個人の好みで、他人に迷惑をかけていない部分」と「生まれつきの形質で、努力で直せない部分」の2つに関しては、笑いものにするのはルール違反ではないだろうか。